アルコール依存症はどんな病気?

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アルコール依存症とは

お酒を飲むことが、どんな物・行動よりも価値があるかのように、最も優先することになってしまう状態です。

どんな問題が起ころうが断酒できない”精神依存”、飲酒をやめようとすると身体にけいれん発作や幻覚が現れる”身体依存”、アルコール量が徐々に多量になってしまう”耐性の獲得”という3つの特徴が見られます。

症状

・精神依存
”お酒を飲みたい”という強烈な飲酒への思い(渇望)に飲み込まれ、その欲求も飲酒量も抑制できなくなります。
飲酒以外の物事(仕事、家族、趣味など)への興味や意欲が著しく低下し、常に酔っている状態を維持しようとします。
精神的にも身体的にも問題が生じたとしても断酒ができない・拒否するなどの特徴が見られ、飲酒を問題だと認めない、嘘をつく、理由づけをして相手を責める、周囲には配慮しないなどの態度が見られます。

・身体依存
お酒を飲む量を減らす、もしくは止める時に出現し、不眠、けいれん発作、幻覚・幻聴(実際に実在しない虫や小動物が見える、聴こえる)吐き気、手の振るえ、血圧上昇など多彩な症状が見られます。その不快感や恐怖が更に断酒を難しくします。

・アルコール耐性
飲酒量が増えても同じように酔うことができなくなり、同じ程度の酔いを感じるまでに以前に比べてはるかに多い量の飲酒を必要とする状態を、アルコール耐性が獲得されたと言います。
”酒に強くなった”と感じる状態。
また、脳のアルコールに対する反応性が低下することで、酔っていることに気づきにくくなります。

どこの病院へ行けばいい?

・初めて病院へ行く場合
初めて病院を受診しようと思った時は、総合病院ではなくまずは近くの開業医へ行きましょう。
町のメンタルクリニックや精神科などでアルコール依存症を専門的に診察しているところがあります。
受診し、必要があれば専門病院へ紹介状を書いてもらいましょう。
現在アルコールの影響がどの程度現れているのか確認し、どんな治療が必要なのかなど主治医と相談していく必要があります。
人によって心身の状態や抱えている問題は異なるため、主治医との連携は必須です。

・専門病院へ行きましょう
アルコール依存症は心身の障害を治療する必要があると同時に断酒生活を維持するまでには長い道のりを適切なステップを踏みながら歩んでいかなければいけません。
専門病院で受けられる支援は、薬物治療、カウンセリング、入院(専門外来だけの所もある)、自助グループとのつながり(同じアルコール依存症で悩む人が集う)などがあります。
専門治療と、自助グループによる手助けは家族に取っても大きな手助けとなります。
本人が受診を拒否している場合は家族による事前電話相談ができる専門病院も多数あるため、諦めずに電話で相談しても良いでしょう。

*専門病院の検索はインターネットや保健所などから情報を得ることができます。



治療方法

アルコール依存症の治療のゴールは、飲酒をしない生活を維持できるようになるまで回復することです。
その目標を達成するためには、本人が断酒に向かって回復しようとする意志を支え、支え合う人間関係を築き、様々な問題やストレスに対処する方法を探していきます。
アルコール依存症は回復してからも一生の間、再発しないようどうすれば良いかを考えていく必要があります。

治療の流れ

〇カウンセリング
病気の認識、治療に取り組む明確な意思を持てるようにしていきます。
ストレスに対処する方法を本人だけでなく、家族など関わる人とともに考えることが重要です。

〇精神療法
・アルコール依存を引き起こした原因や直面している問題などを確認します。
・本人が病気を認識しているかどうか。問題をどう捉えているかを確認します。
・治療の必要性を理解、納得できるまで話を行う。
(お酒を飲んでいない時に、できれば医師やカウンセラーなど第三者とともに話し合いましょう。批判や否定はせず、しかし肯定もせず、本人を思う気持ちを伝えられるようにしましょう。)

〇断酒の開始
断酒に伴う心身症状:離脱(りだつ)症状や合併症の治療を行います。
・アルコールによって引き起こされている心身の不調に対し、治療を行います。
・断酒や治療の必要性に対する認識や意思をより強く、強固なものにするためカウンセリングを継続していきます。
・断酒開始時は入院治療が基本となり通常1ヶ月以上の長期入院となります。

〇リハビリ
生活の中で社会との関わりや人間関係を再構築していきます。
断酒生活は一生。
再飲酒はすぐに再発につながります。
・通院しながら、断酒会や自助グループと呼ばれる患者会・家族会に参加します。
・不安やうつ、幻覚症状などが現れやすいため、心身の安定を保つため内服治療を継続します。
・再飲酒を抑制するため抗酒薬を内服します。(抗酒薬を飲んだ後に飲酒をすると、アセトアルデヒトが蓄積し頭痛、めまい、悪心、呼吸困難など不快症状が現れることがあります)

*相談場所
精神保健福祉センターと保健所があります。
社会や日常生活で本人がお酒がなくとも自信を持って過ごせるよう、医療機関だけでなく、自助グループや家族とともに取り組むことが大切です。
精神保健福祉センターや保健所は各都道府県など全国に設置されており、精神保健福祉や保健師が常駐しています。
専門病院に関する情報を提供するなど、家族からの相談を受けてくれる場所になります。

放置しているとどうなるの?

アルコールは心身の発達を阻害し、病気の発症リスクの上昇、飲酒という行動から離れられず、何においてもそれが最も優先されるため家族崩壊、失職、犯罪、事故などが引き起こされます。

仕事ができなくなり、飲酒以外のことに興味がなくなると、経済的に生活が苦しくなります。

家族がいる場合は、家族の生活が困難になると同時に、飲酒行動を正そうとする家族に対し暴力や暴言、虐待などが行われる危険が高まります。

お酒を飲むことが、自身だけでなく、周囲や社会にも大きな影響を与えていくようになります。

・アルコール性精神障害が出る
うつ、自殺、幻覚、幻聴、特に手指の振るえ、記憶障害、作話症(実体験でないことを、失見当識(物事を正しく認識できない)などが長期的に出現することがあります。
>>うつ病の詳細はこちら
アルコール幻覚症などは急激に現れ、夜間などに突然幻聴や責め立てられるような幻聴などが現れ、妄想や不安が大きくなり自殺行為もみられます。

興奮しやすく、簡単に暴言や暴力を振るう(キレやすい)、性的露出が現れやすく、性犯罪につながる危険も高まります。

・身体の様々な病気を発症する
がん、認知症、糖尿病、慢性膵炎、高血圧、脂質異常症、歯周病、アルコール性肝炎、脂肪肝、逆流性食道炎、痛風など様々な病気を発症するリスクが高まります。
>>肝炎の詳細はこちら

・子どもの成長に影響が出る
アルコール依存症の家族がいる家庭で育った子供は、仕事や人間関係で良い関係を築くことができない、環境適応能力が低く、様々な状況に対処する力が弱くなると言われています。

また、若年者のアルコール依存や妊婦の飲酒による胎児性アルコール障害では、脳の発達障害(知的障害)、発育不全、うつ、不安神経症、攻撃的な性格などになる危険がより高まります。

若年者や女性ではアルコールによる心身の障害が出やすく、依存症への進行も早いと言われています。

不登校や引きこもり、事故や犯罪を起こしやすく、社会の中で生きづらくなります。



 



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