肩こりの原因と解消させる方法、もし放置しているとどうなるのか

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肩こりとは

僧帽筋とよばれる肩周囲の筋肉を中心として起こる、こわばりや不快感、重苦しさなどの症候を総称して「肩こり」と言います。

症状として自覚している有訴割合は非常に高く、全年代を通してきわめて高頻度にみられます。

肩こりの原因

局所の循環障害(血の巡りの悪さ)が直接的要因として挙げられることが多く、これをきたすような行動、生活習慣、環境などが肩こりの原因と考えられます。

長時間に渡って無理な姿勢を継続すること、緊張状態の継続、肩掛けバッグ、過度な空調、パソコン作業などは高頻度にみられる原因となります。

そのほか、他の背景疾患によって引き起こされる症候性肩こりでは、眼科疾患、肩関節疾患や椎間板ヘルニアなどの整形外科疾患、心血管疾患、歯科領域疾患、耳鼻科疾患などの身体疾患も原因となり、精神科疾患に伴う心因性の肩こりもしばしばみられます。

肩こりの症状

肩や後頸部(首)、背中などににぶい違和感やこわばり、重苦しさを感じます。

時に強い痛みを生じることもありますが、急に起こった局所の痛みは別の原因があることがありますので、そういった際は対症療法で済ませず、一度整形外科を受診しておくことをおすすめします。

一般的に肩こりは慢性的に継続してお持ちの方が多く、患者さん自身で症状の程度と増悪因子(何をすればその症状が悪化してしまうか)を経験的に知っているというケースが多くなります。

大切なことは、普段と異なる症状の発現(特に痛み、しびれ、感覚異常)がみられた際に、「ただの肩こりだろう」と様子をみてしまうということが無いように注意しなければいけません。

他疾患の可能性も考えられるため、普段と異なる症状が続く場合は受診をお勧めします。

肩こりを解消させる方法

他の背景疾患によって引き起こされる肩こりについては、その原因疾患の治療が欠かせません。

また、極端な姿勢の維持や長時間のPC作業で眼精疲労をきたしやすい、といった職場環境にある方は普段の作業姿勢を見直してみることも役に立ちます。

定期的に姿勢を変える、早めの休憩を取るといったことも大切です。

普段の食生活と十分な睡眠、少しの運動習慣(1日20分程度の早足での散歩などで十分とされています)を心がけることも必要です。

ただし、なんらかの整形外科疾患をお持ちの方、進行期の糖尿病(特に糖尿病性眼症を治療中の方)、重篤な心血管疾患などでは運動制限がかかることもありますので、基礎疾患をお持ちの方はかかりつけ医に相談の上で家庭での運動量と運動内容を決めるようにして下さい。

さらにお風呂に入るときは、なるべくぬるま湯につかることが推奨されます。

これは、熱すぎる湯は患部の血管を収縮させ、局所の血流を不良とすることで症状の増悪をきたすことがあるためです。

症状が比較的強い場合は薬物治療の適応になることもあります。

非ステロイド系消炎鎮痛剤を用いた、いわゆる痛み止めの湿布や内服薬による治療が主体です。

これにあわせて、ビタミン剤や血流改善薬、筋弛緩薬などが併用されることもあります。

日常生活に大きな支障をきたすものや、ヘルニアなどに伴い明確な神経圧迫がある、などの場合は神経ブロック注射の適応があることもあります。

非常に強い肩こりでお困りの場合は、整形外科クリニックだけでなく、ペインクリニックに相談してみることも有効な選択肢と言えます。

肩こりを放置しているとどうなるの?

原因疾患のはっきりしない、いわゆる本態性の肩こりであれば、上記に挙げたような対症療法による治療、およびストレッチや運動、食事療法などで対応して問題ありません。

ただし、一部の肩こりに深刻な背景疾患を伴う症状発現である場合がありますので、
普段と異なる局所の症状(しびれ、痛み、感覚異常など)が始まった
症状がどんどんひどくなり軽快しない
激しい頭痛や吐き気、めまいなどの全身症状を伴っている
などに該当している場合は、放置せず最寄りの医療機関を受診するようにして下さい。

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