水虫の原因
水虫は白癬菌というカビに皮膚が感染した状態です。
>>白癬菌の詳細はこちら
皮膚であれば、どこでも感染しますが、特に足にその水虫が表れやすいです。
それは人の足は靴下を履いて外出時には靴を履き、蒸れて湿度も体温も上昇している環境なため、白癬菌が繁殖しやすい環境だからです。
同じバスマットを使用することや、素足でスリッパを履くことで、もちろん白癬菌はうつりますが、水虫の症状を発症するには白癬菌が好む環境でないと水虫は発生しません。
その環境とは、常に靴下を着用し、靴を履いており足が蒸れている場合、足趾(足の指)1本1本に隙間がなく寄り添った形の場合、皮膚が乾燥してバリア機能が低下している場合、足に傷がある場合などが挙げられます。
水虫には子どもから高齢者まで感染の可能性があります。
しかし、子どもの方が素足を好みますので水虫を発症する件数は少ないです。
水虫の症状
水虫が足に発症した場合、大きく分けて4つの部位に分かれます。
一つ目に、趾間部(足の指と指の間)です。
白く皮がふやけて、皮がめくれてきます。
赤くジュクジュクし、痒みを伴うこともあります。足の水虫で、一番多いタイプです。
二つ目に、かかと部分です。
かかとが角化状態(白く、硬く、ザラザラした状態)になると白癬菌に感染するとたちまち増殖します。
白く乾燥した皮膚がポロポロ落ち、ひび割れて痛みを感じます。
痒みは生じないので、水虫だとは気が付かないことが多いです。
三つ目に足の爪です。
白癬菌が、爪の内部まで浸透することで起こります。
感染した爪は、厚く肥厚したり変形したり、黄色っぽく変色します。
痒みはありませんが、肥厚が進むとその爪は剥がれやすく、歩行時に違和感や痛みを伴います。
四つ目に足の裏や土踏まずの部分です。
小さな水疱がプツプツとできて、強い痒みを伴います。
その水疱が破れると皮が剥けていきます。
水虫は、足以外にも他の部位にも感染しやすいです。
足以外の部位で感染しやすいのは、陰部や臀部、手になります。
特に、陰部や臀部はオムツやパッドを常時着用している方や、なかなか日常的に清潔に出来ない方に発症しやすいです。
手にできやすい方は、何か手に障害があって清潔を保持できない方や、日常的にミトンやグローブを着用している方に多いです。
これらは、施設や病院に入院している方に表れやすいです。
水虫の検査方法
水虫が認められたら、皮膚科を受診します。
医師が診察だけで水虫と判断することもありますが、確定診断に迷う場合は検査を行います。
それは、爪や皮膚をピンセットなどで採取し、顕微鏡で観察を行うことです。
そこに白癬菌があると認められれば、水虫の診断がつきます。
また、菌には何種類かあり、その種類を調べたいときには培養検査を行います。
結果がでるまで2週間ほどかかりますが、水虫の検査は痛みなどの苦痛は伴いません。
水虫は自然治癒する?
残念ながら、水虫は自然治癒しません。
痒みが治まったと思っていても、高温多湿な環境や梅雨の時期になるとまた白癬菌が活性化して症状が出現してきます。
そのため、しっかり治療をしないと水虫は繰り返すことになります。
水虫の市販薬ってどうなの?
市販薬は抗真菌薬といって、薬局に何種類か販売しています。
クリームタイプや、ローションタイプなど様々あります。
白癬菌には抗真菌薬が有効なので、1日2、3回、入浴後に患部へ塗ることで治ります。
爪であれば、ローションタイプ、趾間部やかかと部分、足底部分であればクリームタイプが塗りやすいです。
しかし、注意が必要なのは、医師の診断がなく自己判断で水虫と判断し、それが別の皮膚病だった場合です。
時に、水虫の症状がウイルス性の感染だったということもあるため、受診して適切な治療薬を処方してもらった方が良いでしょう。
水虫の治療方法
水虫の治療には、基本的には塗り薬のみで対応しますが、症状がひどい場合には内服薬を併用します。
内服薬とは抗真菌薬で、病状や医師の判断によりますが3~6か月ほど内服すると治癒できるとされています。
内服薬の副作用が出現することや、飲み合わせができない薬もあるので異常があった場合は申し出るようにしましょう。
また、お薬手帳の提示も忘れずに行いましょう。
水虫を放置しているとどうなるのか
水虫を放置すると、深刻な皮膚病が出現します。
水虫に感染した皮膚は、もともと皮膚のバリア機能が低下しており小さな傷を作ってしまうだけで、そこから菌が侵入して赤く腫れ、痛みと発熱が生じます。
これを蜂窩織炎といいます。
蜂窩織炎は、炎症値が高くなり体全体がだるくなり、症状の進行も早いです。
入院にて抗生剤の点滴治療が必要となります。
蜂窩織炎の部位が足なら、治癒するまで歩行が出来ないため、ベッド上安静か車いすでの生活が主体となります。