顎関節症について
顎関節症とは
顎の関節とその周囲の筋肉における、痛みや雑音といった症状をひっくるめたものを顎関節症と言います。
原因は様々で、症状も様々です。
顎関節症の原因
顎関節症の病因として、
外傷によるもの
解剖学的な原因によるもの
病態生理学的な原因によるもの
そして心理社会学的な原因
が挙げられます。
これらの因子のうち、単独あるいは複数の因子が、顎関節症の発症になんらかの役割を果たすものと考えられています。
・外傷
この中には顎の打撲や殴打によるもの
智歯の抜歯
あくびなどの無理な大開口
無理な硬い物を噛む習慣
交通事故でむち打ち症になること
睡眠時や覚醒時の歯ぎしり(ブラキシズム)
種々のお口の習癖など
・解剖学的因子
骨粗鬆症などにより顎関節の構造が脆弱になっていること、そしゃくに関係する筋肉の筋力低下など
・病態生理学的因子
リウマチ
加齢
ホルモンバランス
など
・心理社会学的因子
情動ストレス
不安
抑うつ
パーソナリティ障害
薬物依存
アルコール依存など
が挙げられます。
顎関節症の症状
疼痛による障害と顎関節内の障害の大きく2つに分けられます。
疼痛による障害として、
咀嚼に関する筋肉に疼痛が出るもの(咀嚼筋痛障害)
顎の関節周囲に痛みが出るもの(顎関節痛障害)
があります。
顎関節内の障害には、顎の関節の形の変形によるもの(変形性顎関節症)があります。
また顎の関節には、開閉口によって骨同士がこすれ合わないよう、軟骨の座布団があり、その動きがスムーズではない、もしくは一度動いたものが元の位置に戻らない(顎関節円板障害)ものもあります。
顎関節症は何科の病院へ行けばいいのか
顎関節症の治療は歯科医師が行います。
そのため、まずは歯科医院に行くことになりますが、一般社団法人 日本顎関節学会には認定医制度があります。
認定医や指導医の一覧(http://kokuhoken.net/jstmj/certification/list.html)も参考になります。
顎関節症の治療方法
治療は3つのステージに分かれます。
・セルフマネジメント
生活指導(立位、座位での姿勢を正す、頬杖をやめる)、開口訓練(しっかりと口を開けること)など
・可逆的な介入(治療開始前にすぐに戻せるもの)
鎮痛剤などによる薬物療法、スプリント(マイスピース)により咬み合わせの負荷の分散、関節腔を洗浄し、炎症に関係する部室を洗い流すことなど
・不可逆的介入
手術、補綴(かぶせもののやりかえ、義歯を入れること)や矯正治療などで咬み合わせを変える。
などがあります。