シューグレン症候群とは・症状・治療法・寿命

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シェーグレン症候群とは

主に涙腺や唾液腺といった組織を障害して涙や唾液の分泌を低下させ、同部位の乾燥症状を呈することで知られる自己免疫性疾患のひとつです。

中年女性に好発し、その発症率は男性の10倍以上ともなります。

 

シェーグレン症候群の症状

シェーグレン症候群を持つ患者においては、特に目と口の乾燥症状が主たる訴えとなります。

涙の量が少なく乾きやすい、目がごろごろするような感覚がある、目のかゆみを感じる、目が疲れやすい、光が極端にまぶしい気がする、目の痛みがある、などが外来でよく聞かれる目の乾燥症状です。

同様に、唾液が少なく口が乾きやすい、乾きのために会話に支障がある、口腔内の痛みを感じる、食事の際に多く水を飲む、虫歯が増えた気がする、などが典型的な口腔の乾燥に伴う症状です。

シェーグレン症候群ではこれらの局所症状に加え、全身の症状を伴うことも珍しくありません。

発熱や関節痛などの感冒様症状、息切れ、皮疹、レイノー(手先や足先の冷感、変色)などが観察されます。

シェーグレン症候群でみられる強い喉の渇きは糖尿病患者や単なる加齢性変化でもしばしばみられるもので、慎重な鑑別(区別)が必要になります。

一方でこれらは比較的容易に血液検査で除外することができますので、強い喉の渇きを継続して自覚している場合は放置せず、近隣の内科クリニックを受診することが大切です。

また、健康診断の一般血液検査などに異常がないにも関わらず強い喉の渇きを自覚している場合も、シェーグレン症候群の存在を否定しきれないので放って置かずこちらも内科受診をしておくことが欠かせません。
 

シェーグレン症候群の治療方法

シェーグレン症候群は日本においては指定難病に定められており、シェーグレン症候群の診断を得るとその治療費には一定の助成がなされています。

逆に言うと、シェーグレン症候群を完全治癒することは現在の医療水準では難しいことも示しており、実際、症状への投薬対応を行いながら日常生活に十分な配慮をすることがシェーグレン症候群の一般的な治療方法となります。

まずは乾燥症状を増悪させない環境の構築が欠かせません。

室内空調に気を配ることはもとより、喫煙者は必ず禁煙することがすすめられます。

刺激物や糖分を多く含むものの摂取が過剰とならないよう、普段から配慮するべきです。

一般的な生活習慣の改善、特に十分な睡眠とバランスの取れた食事内容の継続は症状の改善につながります。

また皮膚の乾燥が強い場合は、熱湯での入浴や過度の石鹸使用は避ける必要があります。

目の乾燥、口腔内の乾燥にはそれぞれ有効な涙液・唾液の分泌促進薬、人工涙液・人工唾液などが実用化され日常臨床において頻用されています。

通いやすい近隣のクリニックにかかりつけ医を作り、症状の経過を観察してもらうこと、適切な投薬を受けコントロールを図ることが大切です。

 

シェーグレン症候群の寿命

シェーグレン症候群はなかなか完全な治癒は得られず慢性化しますが、その予後は良好でシェーグレン症候群によって余命が大きく限られることはほとんどありません。

時として合併した他の膠原病によって深刻な転機を迎えることもありますが、頻度は低く、定期的な受診によって症状のコントロールと病状の推移が確認されている分には大きな心配をする必要はないと言えます。
 

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