破傷風とは
破傷風は、破傷風菌と呼ばれる自然界の土壌中に広く存在する細菌が、傷口から侵入することで感染をおこす感染性疾患のひとつです。
破傷風菌が産生する毒素は種々の神経症状を引き起こし、高率に死に至らしめる重篤な疾患です。
破傷風の症状
通常は切り傷などの創部から感染をおこします。
受傷後、1週間から10日程度で破傷風菌毒素による症状が発現し始めます。
破傷風菌感染に伴う筋肉のけいれんは非常に特徴的な症状と言え、不随意の(無意識下の)筋肉のけいれんと硬直をおこすようになります。
これら筋肉のけいれんは頭部、特にあご周囲から始まることが多く開口障害と飲食物の飲み込みづらさを自覚するようになります。
次第に筋肉のけいれんは周囲に広がりをみせ、四肢、腹部などでも観察されるようになります。
けいれんの進行は呼吸機能にも影響が大きく、時として顔面蒼白やチアノーゼを呈することもあります。
顔貌は特徴的なものとなり、眉毛が釣り上がり、一見すると笑っているかのような表情のまま硬直するようになります。
さらに、背筋が強く収縮するために背中が反り返った姿勢となり、括約筋のけいれんによって、泌尿器科症状、特に強い便秘と排尿困難が生じます。
音や風などのちょっとした物理刺激に敏感に反応して全身けいれんが誘発されます。
破傷風菌毒素は選択的に神経系への影響を及ぼすほか、患者本人の情動に影響を与え、不穏や強い苛立ちを示すことがしばしばあります。
破傷風感染では重症化しても意識が保たれるという特徴があり、初期から高度の意識障害を伴うことはまれです。
また、交感神経系の亢進により頻脈や多量の発汗、時に高熱を伴います。
強い呼吸障害のために世界的には破傷風患者の約半数が死に至りますが、医療設備が整い適切な全身管理が行える先進国においてはこの死亡率は10%程度以下までに低下します。
破傷風予防接種ワクチンの副作用や値段
一般的に不活化ワクチンを用いた破傷風予防が行われますが、現代の日本においては法定の小児定期接種ワクチンにも含まれています。
海外への1ヶ月以上の渡航を予定している場合には、それがどの地域であっても破傷風ワクチンを接種しておくことが推奨されています。
破傷風予防接種ワクチンの使用においては、アナフィラキシーが最も問題となる副作用であり、時として深刻な呼吸困難や循環動態不良を引き起こすことがあります。
アレルギー体質の方や、その他の食品や薬剤でアナフィラキシーの既往がある方は、接種後一定時間を接種を行った医療機関内で経過観察し急性期の問題が起こらないことを確認する必要があります。
受傷に伴う破傷風発症予防を目的とした予防接種では保険適応となりますが、海外渡航時などの事前予防接種はこの適応ではありません。
したがって接種を行う医療機関によってワクチンの値段設定は異なります。
事前に電話などで確認するようにしましょう。
破傷風予防接種ワクチンの回数について
約1年間かけて3回の筋肉注射による接種を行うものが、破傷風予防接種ワクチンでの一般的な接種スケジュールとなります。
この接種を漏れなく行うことで、約5~10年程度の破傷風菌に対する免疫が得られることになります。
一方、免疫記憶自体は30年前後は保持されますので、この間に1回でも破傷風菌の予防接種を行えば再度免疫を得ることができます。
破傷風の治療方法
破傷風は光や音、風などのちょっとした物理刺激にも反応して全身けいれんが誘発されますので、光や音を遮断した部屋で管理を行うことが一般的です。
感染の原因となった受傷部の治療(十分な洗浄や汚染部の除去)にあわせ、破傷風菌に対する抗生剤を複数用いますが、破傷風菌が産生する毒素に対しては効果を示すわけではありません。
したがって毒素中和のために、別途抗破傷風免疫グロブリンを投与します。
破傷風は感染から治癒までを経験したとしても、それによって免疫を獲得することはできませんので、後ほど破傷風予防接種ワクチンによる免疫獲得を行うことになります。
全身けいれんに対しては抗けいれん薬を用い、呼吸や循環を正常に保つために各種の対症療法もあわせて使用されます。
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