百日咳とは
百日咳は細菌の一種である百日咳菌の感染によって引き起こされる呼吸器感染症で、強い咳症状を特徴とする疾患です。
近年では、乳幼児期での予防接種効果が薄れた成人期における発症も問題となっています。
百日咳の症状
百日咳菌感染後、一週間から10日程度はなんらかの症状を示さない、いわゆる潜伏期となります。
その後、感冒様(一般的な風邪のような)の症状にて発症し、次第にその咳症状は増悪していきます。
発作性の短い咳を含めて、完全に咳発作が消失するまでには2ヶ月程度を要することも珍しいことではありません。
外来では「風邪をひいた後、咳だけが全然治らない」という訴えで受診するケースが大半です。
また乳児が罹患した場合、無呼吸発作のために致命的となることもありますので特に生後半年未満の児に対しては十分な注意と早期の受診が必要です。
百日咳はうつる?
百日咳菌は患者の咳やくしゃみによる飛沫に多く含まれており、これを経口的に取り入れることで容易に感染が成立します。
予防方法としては、患者におけるマスクの使用、周囲の人々では流水での手洗いとうがいが非常に大切です。
成人においては比較的軽症で経過することが多く受診が遅れがちとなり、そのために無用に感染機会を増やしてしまうことにもなりかねません。
長引く咳は、仮に発熱などの症状を伴っていなくても一度内科を受診しておくことが欠かせません。
百日咳の予防接種について
百日咳は予防接種法に基づいた定期予防接種の対象疾患です。
百日咳の予防接種による免疫効果は10年程度までに渡って継続するので、有効な予防方法と言うことができます。
原理上は免疫が成立していれば感染発症は起こしませんが、免疫効果の持続には個人差がありますので、予防接種をしているからといって絶対にかからないというわけではありません。
やはり長引く咳に対しては受診し、早期の診断と治療介入を受けることが大切です。
予防接種にはアナフィラキシーなどの深刻な副作用を呈するケースもありますが、頻度は高くありません。
百日咳に対する予防接種についても、予防接種によるデメリット(副作用)よりもメリット(感染発症防御)の方が遥かに大きく、集団免疫の有効性の観点からも医学的には積極的な接種をすすめています。
母胎からの百日咳菌に対する抗体は約2ヶ月程度で消失してしまうため、小児は生後3ヶ月程度から接種するべきと言えます。
特に乳児期は重症化しやすいため、忘れないように接種させてあげて下さい。
上記のように成人は重症化しにくい傾向にはありますが、海外出張や留学などで百日咳菌への曝露機会が増える場合は予防接種を事前にしておくことが好ましいと言えます。
また、妊娠中に予防接種を行っておくことで、新生児を百日咳による死亡から防ぐことができます。
近年の大規模追跡研究の結果からは、妊娠中の百日咳予防接種によって副作用として死産リスクが高まるようなことはない、という研究成果も示され妊婦への予防接種の安全性も確認されています。
百日咳になったら出席停止とかあるの?
百日咳は学校保健安全法における第2種感染症に定められており、百日咳による特有の咳が完全に消失するか、5日間に渡る適切な抗菌薬治療が完了するまでは出席停止することとなっています。
百日咳の検査方法
患者の鼻腔や咽頭などから採取した呼吸器検体を、寒天培地上で培養し菌の同定を行います。
その他、血液中の抗体検査や遺伝子検査も保健適用として検査を行うことができます。
特に遺伝子検査による百日咳菌の検出は高い検出力を持ち、広く実用されています。
百日咳の治療方法
百日咳の診断がつけば、クラリスロマイシンやエリスロマイシンといったマクロライド系抗菌薬の投与が行われます。
適切な投与が行われていれば、抗菌薬の服用開始から約5日間で咳からの排菌はみられなくなり、治療効果は非常に高いと言うことができます。
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