目次
川崎病とは
全身の血管壁に炎症を起こす炎症性疾患(血管炎)のうちのひとつです。
小児にみられることの多い本疾患ですが、心臓合併症をしばしば伴い特に冠動脈瘤がある場合、慎重な管理が必要となります。
川崎病の原因
明らかな原因についてはいまだ明らかとされていません。
ただし川崎病の遺伝素因を持つ小児が、なんらかの感染を契機として川崎病を発症するという説が比較的有力とされています。
川崎病の発症自体は世界中で確認されていますが、日系人において特に発症率が高いことも知られています。
川崎病の症状
川崎病の症状は5日間以上にわたって続く発熱で始まり、通常は次第に症状の増悪がみられていきます。
発熱から2日以内に両側の眼球結膜に明らかな充血を起こし、この時期までに腹痛や傾眠傾向を併せ持つこともあります。
発症早期から、様々な形を持った赤色の斑状発疹が全身にみられ、この発疹には咽頭充血、口唇の乾燥や亀裂、発赤を伴います。
またイチゴ舌と呼ばれる、一見して赤色の舌を呈します。
発症2週目頃より、爪周囲や手のひら、足底、会陰部に落屑がみられるようになります。
患児の約半数には、リンパ節腫脹が複数発現し、押すと痛みを訴えます。
血管炎を主体とする本疾患では、全身各所に種々の所見を呈することになり、嘔吐・下痢などの消化器症状から、上気道における呼吸器症状、前部ぶどう膜炎などの眼科症状、肝炎、無菌性髄膜炎、尿道炎など、実に多種多様な症候がみられます。
一方で、川崎病の予後を規定し得る心臓症状・冠動脈疾患については、他の発熱や発疹などの初期急性期症状が沈静化し始めたところから発現することがあります。
川崎病は再発するの?
川崎病の再発は数%に確認されています。
ただし予防法はいまだ確立されていませんので、定期的なフォローアップ(かかりつけ医への定期受診)が欠かせないということになります。
川崎病は完治する?
治療を行わない場合、数%程度は死に至ることが知られており、適切な治療介入は欠かせません。
治療を行っている場合の川崎病患者においては、死亡率はかなり低く完全回復が多くの症例で望めます。
しかし、心臓合併症がある場合は突然死の原因となり得るため、慎重な経過観察と厳密な治療介入が必要となります。
川崎病はうつる?
たしかに一定のコミュニティにおいて、川崎病の高い集積を認めることはありますが、現時点で明らかな感染発症は確認されておらず、「川崎病はうつらない病気」と考えるのが自然です。
川崎病の患児を避けるような行動も一切必要ありません。
川崎病は後遺症とかあるの?
前述のように川崎病は心臓合併症を引き起こし得ます。
特に大きな冠動脈瘤を合併した場合、後遺症として遺存することがありますが現代の医療水準の大幅な向上により頻度はきわめて低くなっています。
川崎病は入院が必要?入院期間はどれくらい?
川崎病が疑われたら即座の入院治療が必要となります。
一般的には1週間から2週間程度での退院となることが多いですが、症状の経過によって大きく変わります。
自然な解熱を待つことは、血管(特に冠動脈)へのダメージを増長することにつながりますので、これを放置することはありません。
川崎病の治療方法
ガンマグロブリン製剤の点滴とアスピリンの投与がまず行われ、症状の程度にあわせた他の追加治療が選択されます。
ガンマグロブリン製剤の登場により、近年では深刻な冠動脈瘤を含む冠動脈疾患への移行を大幅に低下させることができるようになりました。
不幸にして冠動脈瘤が遺存してしまった場合には、血液をさらさらにする薬(ワーファリンやアスピリン)などを長期にわたって内服し定期的な心臓超音波検査によって瘤の性状に大きな変化がないかを確認していく、ということになります。
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