口角炎とは
上口唇と下口唇の交わるところ、つまり唇の両端を口角といい、そこにできる炎症を口角炎と言います。
亀裂や腫れ、かさぶた(痂皮)ができ、時に痛みをともないます。
口角炎の原因
真菌の一種、カンジダが皮膚を刺激してかぶれを生じるのが主な原因と考えられています。
誘因として最も重要なのが、ビタミンB2・B6の欠乏です。
また、口内炎と思って使用したステロイド剤が、逆に悪化させることもあります。
カンジダはもともと口腔内やその他の体表に存在している、いわゆる常在菌です。
健康な人体は自身の免疫により過度の増殖を防いでいますが、体調の悪化などで免疫力が落ちることで繁殖して日和見感染を起こすことがあります。
また、入れ歯を無くす、または入れ歯を使用しなくなったことで口元にシワが入る場合、シワにカンジダ菌がとどまりやすくなるため、口角炎になりやすい状況と言えます。
パッと見た目は口唇ヘルペスや、乾燥による口唇のひび割れ(口唇炎)とも間違われやすいです。
口角炎とヘルペスの違い
口角炎は見た目が乾燥し、少し赤みがあります。
ヘルペスはジュクジュクとした傷に痂皮(かさぶた)が乗ったような感じです。
口角炎は何科に受診すればいいの?
口角炎かな?と思ったら、口腔外科を標榜している歯科医院、もしくは皮膚科で相談しましょう。
口角炎の治療法
真菌が原因ですので、フロリードゲル軟膏などを投与します。
乾燥感が強い時には保湿のためワセリンやプロペト軟膏も併用します。
ステロイドの軟膏(ケナログ軟膏、デキサルチン軟膏、オルテクサー軟膏)は、局所の免疫を抑制するため逆効果なことが多いです。
また、ビタミン剤(B1、B2、B6、B12)、ナイアシンの内服などをすることもあります。
高齢者の場合では、入れ歯の調整を調整することもあります。
これは、口元にシワが入る状況から、入れ歯の高さを調整することでシワをへらし真菌がシワに止まらないようにするためです。