アスペルガー症候群の特徴と検査・治療方法

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アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群は、自閉症に関連する行動障害の一種として理解されています。

いわゆる自閉症では、社会性が障害されており他人とのコミュニケーションが難しく、強いこだわりを持つ、などといった特徴があります。

アスペルガー症候群も基本的にこれと同等の特徴を呈しますが、自閉症との最大の違いは精神発達遅滞を伴うか伴わないか、というところにあります。

つまり、アスペルガー症候群の患者においては粗大な言葉の遅れなどを示さないばかりか、場合によっては高い知能指数(IQ)を持ち、個々人の嗜好によってある種の非凡な才能を有しているケースが多いことも確認されています。

その興味の対象は極めて狭く限定的で、しかし偏執的と言えるほどに執着します。

したがってアスペルガー症候群を持つ小児はしばしば、興味対象に関する膨大な情報を記憶しています。

一方でその興味対象は、社会的な流行や理解されやすい対象とは隔たりのある場合が多く、加えてアスペルガー症候群の患者は「他人の気持ちを理解する」「非言語コミュニケーションを理解する(行間を理解する)」といったことを苦手とするため、周囲の理解が得られにくい特に小児期において強い孤立にさらされやすくなります。

また成人のアスペルガー症候群患者においても、コミュニケーションの特異性と理解される「一方通行の会話」「空気が読めない」「一般常識を身につけない」「あいまいなやり取りができない」などの特徴によって、職場や学校などにおいて高度の適応障害を示す例が多々みられます。

さらに、同時並行的な業務の進行や急な予定の変更にもうまく対応することができないため、一般的なチームワークを要する仕事には向いていないと言えます。

アスペルガー症候群は元来、女性に比べて4~8倍程度男性に多いとされてきましたが、女性の発症も近年増えています。

特に女性の場合は、思春期から成人期にかけて深刻な症状に苦しむケースが多く、やはり疾患に対する周囲の理解が欠かせないということになります。
 

アスペルガー症候群の検査方法

アスペルガー症候群の原因としては、近年遺伝的要因、免疫学的要因、胎内環境要因などをはじめとして種々の指摘がなされていますが、いまだ決定的なものは見つかっていません。

したがって、アスペルガー症候群の診断は血液検査や画像検査などの客観的指標を用いるのではなく、主として医師の問診と観察によって行われます。

鑑別すべき、つまり除外しなければならない疾患としては、統合失調症や社会不安症、強迫性障害、パーソナリティ障害、ADHDなどが挙げられます。

 

アスペルガー症候群の治療方法

2018年現在、アスペルガー症候群に対して著効する(根治を望める)治療薬は確認されていません。

アスペルガー症候群に付随するうつ症状や不安症状といった周辺症状の緩和には、抗うつ薬や抗不安薬、抗精神病薬などが処方されることもあります。

またアスペルガー症候群に伴う周辺症状の緩和は、認知行動療法を含む心理療法が効果を示すことがあります。

認知行動療法では、医師やカウンセラーとの会話を通して、患者自身が周囲の人や世界についてどのように考えているのか、そして自身の行動が思考と感情にどのように影響しているのかを客観的に捉えることから始まります。

問題の原因に着目するのではなく、現在の精神状態の向上を目指すものと言えます。

とは言え、アスペルガー症候群の治療や管理において最も大事なことは、周囲の人々からの理解が得られているということになります。

個々のニーズに合わせた支援システムは普及をみせており、各種学校においても特別支援教育を受けることが可能となってきました。

受け入れる環境を構築した上で、周辺症状の緩和を目指した心理療法と必要な場合の薬物治療を並行して行うことで、アスペルガー症候群を持つ人々が平和に過ごし、かつ社会にも大きく貢献できる状況を目指すことができるはずです。
 

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