変形性膝関節症の原因・症状・治療方法と放置しておくと…

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変形性質関節症



加齢とともに足腰が弱くなってきます。

筋肉が衰えるだけでなく骨にも影響が出てきます。

骨の密度が減るだけでなく関節の軟骨がすり減って痛みや動きに支障をきたす病気があります。

それが変形性膝関節症です。

そんな変形性膝関節症の原因や症状、放置しておくとどうなるのかをご説明していきます。

変形性膝関節症の原因

正常な関節では骨の表面を軟骨が覆っており、運動により関節が動く際には、軟骨の表面同士が滑らかに擦れ合うようになっています。

変形性膝関節症ではこの関節軟骨がすり減り、進行すると軟骨が無くなり、軟骨の下にある骨がむき出しの状態になります。

軟骨は滑らかな関節の運動を助け、クッションの役割を持っているため、運動時の痛みや歩行時の痛みが生じるようになります。

原因は主に加齢とされていますが、特に50代以降の肥満女性に多いことが知られています。

膝は立っている状態で体重の2~3倍、階段昇降では体重の7倍も負担がかかる関節です。

体重を1㎏減量すると、膝への負担は2~3㎏減少するとも言われています。

加齢により全ての人に起こるわけではなく、特に膝に負担のかかる仕事(立ち仕事や農作業)を行っている人に多い傾向にあり、膝関節への負担と密接に関わりがあります。

また、骨折や遺伝などが原因となることがあります。

変形性膝関節症の症状ってどんなの?

主な症状は、痛みと腫れです。初めは、膝のこわばりを感じる人が多いようです。

また、立ち上がりや、歩き始めの痛みを感じます。

一般的に歩き始めは痛く感じますが、しばらくすると痛みは和らぐでしょう。

症状が進行すると、歩き始めの痛みに加え、長時間歩くと再び痛みを感じるようになります。

さらに進むと、階段の上り下りができなくなったり、正座ができないなど、日常生活に支障を来すようになります。

膝に水がたまった場合には、膝が重苦しいように感じ、さらに曲げ伸ばしが制限されるようになります。

この水というのは、関節内で潤滑油の役割を果たす滑液のことを指します。

軟骨がすり減ると、軟骨の削りかすが生じますが、この削りかすが関節を包む滑膜を刺激し、炎症が起こります。

炎症に伴い痛みが生じ、さらに滑液の分泌が増加することで、膝に水(滑液)が溜まり、膝が腫れるという仕組みです。

変形性膝関節症の症状は、突然ではなくゆっくりと現れます。

そのため、早期に医療機関に受診することは少ないでしょう。

自己流のウォーキングや運動、ダイエットを始めるなどして、逆に症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。

軟骨は一度壊れてしまうと、再生することができません。早めの受診が肝心です。




変形性膝関節症の治療方法

治療は、保存療法手術療法に分けられます。

まずは保存療法を行いますが、病状が進行すると手術が必要になることもあります。

【保存療法】
生活習慣の改善
肥満は変形性膝関節症の大きな原因です。

まずは自身の適正体重を知りましょう。

無理なダイエットではなく、徐々に体重を減らすのが理想的です。

可能であれば栄養士や、内科の先生による指導を受けるとよいでしょう。

自宅の生活環境を変えることで、膝の負担を軽減することが可能です。

膝に痛みがある場合には、杖などの自助具を検討するとよいでしょう。

また、和式トイレを様式に、布団からベッドへ変更など、痛みを軽減する方法があります。

運動療法
変形性膝関節症の方は、運動すると膝が痛むため運動量が減少する傾向にあります。

すると大腿四頭筋などの膝関節周囲の筋肉が委縮し、さらに膝の安定性を損ね、症状が進む悪循環があります。

日頃から適度な運動やトレーニングを行うことで、変形性膝関節症の悪化や予防に取り組むことが大切です。

膝の状態は個人差がありますので、適切な運動方法をお医者さんに指導してもらうとよいでしょう。

物理療法
熱や電気、光などを利用して、膝の炎症を抑える治療です。

温熱療法は、赤外線やホットパックなどを使用し膝を温めることで、膝の血流を改善し痛みを緩和します。

自宅では温タオルや入浴などで代用が可能です。

痛み止めの薬
痛みの程度に応じて、内服や座薬、貼り薬などがあります。

痛み止めを内服することで膝関節が治ることはないため、対症療法となります。

しかしながら、痛みを感じながら生活するよりも、痛みと折り合いをつけながら生活する方が、生活の質が向上することもあります。

関節注射
ヒアルロン酸とステロイドの2種類あります。ヒアルロン酸は、関節液の重要な成分です。骨同士の滑りをよくし、軟骨を守ります。ステロイドは炎症に効き目があり、炎症による痛みを抑えます。関節に水がたまっている場合には、注射で水を抜くこともあります。

装具療法
日本人はO脚が多く、膝の内側のすり減りが多いとされています。装具を装着することで、内側の負担を軽減できるため、膝の痛みに効果があります。装具療法の効果は1~2か月の期間がかかりますので、継続することが重要です。

【手術療法】


関節鏡下手術
膝に小さな穴を数か所あけ、カメラで膝の中を見ながら、状態の悪い部分を取り除きます。

半月板に傷がある場合には、切ったり縫うこともあります。

傷が小さく、患者さんへの負担も少ない方法です。

一般的に術後翌日から歩くことができます。

高位脛骨骨切術
この手術方法は、自身の膝関節を温存できる方法です。

膝の変形が少なく、スポーツや農作業など、日常生活で膝に負担がかかる動作を行う人、比較的年齢が若い人に適応されますが、最近では、医学の進歩により、高齢者でも選択できるようになりました。

脛骨(すねの骨)の一部を切り取り矯正することで、膝の重心を外側に分散させ、内側の負担を軽減します。

骨を固定するボルトやプレート以外の異物を体内に入れることがないため、感染のリスクが低いことが特徴です。

しかしながら、骨が癒合するまでに時間がかかるため、リハビリや入院期間が長くなるというデメリットがあります。

人工関節置換術
この方法は、自身の痛んだ膝関節を取り除き、人工関節と取り替える方法です。

基本的には、高齢になるほど人工関節置換術を選択することになるでしょう。

骨切り術とは異なり、術後早い段階で歩くことが可能となります。

一方で、人工物であるため感染のリスクを伴うことや、経年劣化により関節に緩みを生じることなどがデメリットとされています。

高位脛骨骨切術や人工関節置換術は出血が多いため、輸血が必要になるケースも多いです。

事前に自分自身の血液を貯めておき、後から使用する自己血輸血を行うこともあります。

変形性膝関節症を放置しておくとどのような事が起こってくるのか

変形性膝関節症が進行し重度になると、軟骨がすり減り、骨が露出するようになります。

クッションの役割を果たしていた軟骨が無くなり、骨と骨が直接ぶつかるため、歩行や立ち上がりが困難になります。

痛みにより外出が減ると行動範囲が狭くなったり、人に会うことが億劫になることもあるでしょう。

また、安静にしていても痛みが生じるようになると、痛みが原因で不眠になることもあります。

このように生活に支障を来すと共に、精神状態まで影響する可能性があります。

さらに、痛みや動作の制限により運動量が減少することで、生活習慣病になるリスクが高まります。

不意につまずいたり転んだりすることで、骨折など思わぬ事故が起こるかもしれません。

変形性膝関節症は放置せず、医療機関に受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。




 



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