梅毒に感染する原因はいくつかあります。
症状も様々あります。
こちらではそんな梅毒の原因と症状、予防方法や治療方法を紹介していきます。
梅毒の原因
梅毒はスピロヘータと呼ばれるばい菌の感染によっておこります。
感染すると早くから身体中に菌が拡がりやすいため、治療が必須なのですが最初の方は症状も弱く、多くの場合受診につながりません。
梅毒は性交渉によって人から人にうつります。
感染力も強く1回の性交で十分に感染します。
特に日本では2013年ころから患者さんの数は非常に増えていて2017年には5800人ほどに達しています。
この数はこの数年で5~6倍に増加したのですがその原因として考えられるのは最近増えている訪日外国人による性風俗の利用が指摘されています。
梅毒の症状
梅毒は治療しなければ感染はずっと続きます。
感染した後の潜伏期間は平均3週間くらいです。
この間に原因菌が身体の中へ侵入し全身へと拡がっていきます。この時期に特に症状はありません。
この時期を過ぎると性器に痛みのない皮膚が丸くえぐれたような傷ができてきます。
医学的にはこれを潰瘍(かいよう)とばれますがこれが梅毒の原因となるばい菌の侵入場所です。
この傷は1カ月ほどで徐々に消えていきますが特に痛みもないため医療機関に受診しない方もいます。
その次はいよいよばい菌が身体中に拡がって、全身に炎症が起こってくる時期です。
そのため発熱、だるさ、のどの痛み、筋肉痛、関節の痛み、全身のリンパの腫れなどがみられます。
また皮膚には顔、身体、腕や脚に痛みや痒みのない1~2cmくらいの紅いバラ色のあざのような斑点がたくさん現れます。
これがバラに似ていることからよくバラ疹(ばらしん)と呼びます。
ここから数か月経過すると口の中や陰部などの柔らかいところに口内炎のような傷ができます。
さらには頭の脱毛もみられ、いわゆる10円ハゲのような円形脱毛症がいくつも出現し髪が薄くなってしまいます。
梅毒の検査
検査方法
・皮膚症状観察
・血液検査
検査はどこで受けられる?
①病院
症状があれば治療が必要となるため病院へ行きましょう。男性は主に泌尿器科、女性は婦人科が行きやすいでしょう。
②保健所・検査所・郵送検査キット
”感染の不安があるが、症状はない”という場合、保健所では検査費用が安く(無料のところもある)、匿名で相談もすることができます。人の目が煩わしい場合自宅で検査が行える郵送検査キットも市販されています。
性病検査キット
性病検査キットは自宅でカンタンに匿名受けることができます。
性病検査STDチェッカーは性病専門の検査キットで口コミもみることができます。
GME医学検査研究所は性病・がん検査キットを取り扱っています。
詳しくは各ホームページをご覧ください。
※健康保険証を使うといつ受診したのか自宅に受診記録が送られてきます。
これら2つの検査キットは匿名ですので家族やパートナーに知られることなく結果を知ることができます。
梅毒の治療方法
基本的には抗生物質を飲むことで治療します。
症状に応じて内服する期間は違っていて大だいたい2~12週間です。
感染が重たいほど長く内服することになります。
また症状がどうであれ感染後1年以上経っている場合や感染時期がわからない場合は8~12週間の長めの抗生物質の内服をします。
さらに梅毒の場合、抗生物質を飲み始めて数時間くらい経つと約半数の人に発熱、全身倦怠感、悪寒、頭痛、発疹などがみられることがありますがこれは薬の副作用ではありません。
梅毒の原因となるばい菌が抗生物質によって体の中で破壊されて起こる反応であるため解熱剤などを一緒に飲むようにすることもあります。
梅毒の予防対策
梅毒は性交渉で感染するためコンドームの使用が最も効果的です。
ただし先に症状の項目でお話した皮膚の丸くえぐれたようなところに触れると感染します。
もし万が一相手にそれらしい傷があった場合には性的な接触を控え早めに医療機関を受診することが最大の予防策と言えます。
梅毒を放置しておくと
治療せずに梅毒をそのままにしておくとどうなっていくのでしょうか?
梅毒は治療しないかぎり10年くらいの時間をかけて身体をむしばんでいく非常に怖い病気です。
先の症状の項目で説明した時期を超えると身体中のあちこちにまるでゴムのような弾力をした数センチくらいのできものがたくさんでき始めます。
そしてこのできものはいずれ腐って潰れてくるため、これが起こるとみるに堪えない姿になります。
更に梅毒がすすむと脳や脊髄の神経にばい菌が到達します。
このせいで脳や脊髄が梅毒の菌によって直接侵され、そのダメージによって人格が変わってしまったり、認知症になって自分のことがわからなくなります。
それにとどまらず手足の麻痺症状や意識障害、けいれん発作などを引き起こすようになります。
また梅毒は身体の中の大きな血管にも到達し炎症を起こすため血管の形が大きく変形し、場合によっては破裂し命を落とすこともあります。
この状態まですすんでしまった梅毒患者は現代の日本では滅多にみられないですが残念ながらいくら抗生物質で治療しても脳や脊髄、血管に起こったダメージを回復することは不可能です。