対人恐怖症とは
人と会話をしたり人から注目されるなど、人と接することに対して恐怖を抱くことを対人恐怖症といいます。
人前で恥 をかきたくない、悪い評価をされたくないという気持ちが不安や恐怖を招きます。
キッカケとしては、大勢の中で急に話を振られて上手く答えられなかった、発表の時に声が震えて笑われた、人と話す 時に赤面してしまいそれを指摘された。
このような過去の出来事がキッカケになり、同じような場面で発症するケースが多いです。
対人恐怖症の特徴
対人恐怖症は、『人の目を気にする性格』の人がなりやすいです。
『人からどう思われているのか、悪く見られたくない』と思い過度に人の目を気にしてしまいます。
<どんな性格の人がなりやすいのか>
・真面目で完璧主義、責任感が強い
・自分の評価が低い
・内向的で恥ずかしがり屋
・緊張しやすい
このような性格の人は、対人恐怖症になりやすい傾向があります。
<対人恐怖症のチェック項目>
・人前で話すのを避ける。異常なほど嫌がる
・人と会話したくない。自分の評価を下げられるのではと思ってしまう
・急な電話に出れない、出たくない。何を話して良いかわからなくなる
・パーティや飲み会など、大勢の人が集まる場所に行くのが憂鬱、不安だ、何日も前から考えてしまう
・人が見てる前で、字を書くことや食事するのが苦手、人の目線が気になってしまう
人と接したり、人の前で話したりすることに強い不安や恐怖心を抱く人は、『失敗して恥ずかしい思いをしたらどうしよう、自分の価値が下がるのではないか』と気にしてしまう人です。
異常なほど人からの評価が気になって、日常生活に支障をきたす事があります。
対人恐怖症の症状
対人恐怖症の人は、人前で話したり注目された時に症状が出ます。
普通の人でも大勢の人前で話す時には緊張するものですが、対人恐怖症の本人の不安や恐怖感は異常なほど辛いもの です。
<どのような症状が出るか>
・赤面する
・手足や身体が震える
・声がうわずる。言葉が上手く出てこない
・動悸がして、息苦しくなる
・汗をかく
・吐き気がする。酷くなると嘔吐する人も
症状がひどくなると、日常生活に支障が出る場合があります。
例えば、仕事中にミスが多くなってしまい働きにくくなったり、人と接したくなくて家に引きこもってしまう場合があります。
「自分はなにもできない、ダメな性格だ。」と落ち込みうつ傾向になる人もいます。
対人恐怖症はどんな病院で診察を受ければいいですか?
対人恐怖症は、精神科または心療内科で診察を受けることが可能です。
対人恐怖症の症状があり日常生活に支障が出でいても、なかなか受診できずにいる人が多いです。
それはやはり、対人恐怖症の特徴である『人と話すのが不安』という事が関係していることが多いからです。
そんな時には、診察前に紙にメモをして医師に渡すのがおススメです。
治療は、薬物療法や認知行動療法があります。
対人恐怖症の克服方法
<セルフケア方法>
治療をしながら、自分自身で出来ることをしていきます。
①自分がどういった時に症状が出やすいか、その時どんなことを考えているかなど客観的に考えてみます。
自分自身の偏った考え方に気がつく事ができます。
<自分の考え方と、周りから思われていることの違い>
・もしかしたらこれは偏った考え方で、周囲は自分のことはそんなに気にしていないかも
・赤面や手足の震えは、誰も気がつかなかったのでは
・誰にも変な事や悪いことは言われていなかった
・誰でも緊張はする。自分だけが特別ではない
②緊張した時の、自分なりの呼吸方法やリラックス方法を見つけます。
<リラックス出来る体操>
・スピーチする前に口の体操をする。アゴを上下左右に動かしたり、口をすぼめる、舌を口の中で動かす
・ほっぺを膨らますのを数回繰り返す
・深呼吸して、両肩を上下させる
・出来るだけ楽しいことを考える
③無理をしない程度に、少しずつ苦手な場面に挑戦してみます。出来るようになると自信につながります。
・笑顔で挨拶をしてみる
・親しい人と会話をする
・少ない人数の前でスピーチしてみる