腎不全とは・原因・症状・気をつけたい食事・余命・治療方法

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腎不全

 
 

 

腎不全とは


腎臓には、体の水分を調節したり、いらなくなったものを尿として体の外へ排泄する機能があります。
しかし、腎臓が何らかの病気になって腎臓の機能が落ちると、このいらなくなった老廃物を十分に外へ排出できなくなります。
腎臓の働きが正常の30%以下へ低下した状態を腎不全といいます。
腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があり、急性腎不全では治療により腎機能は回復しますが、慢性腎不全では腎機能は回復不可能になります。

 

腎不全の原因

急性腎不全の原因は以下の4つが考えられます。
➀脱水・大量出血・心不全など腎臓に十分な血液が流れてこないことが原因です。
②急性腎炎・急性間質性腎炎など腎臓そのものが炎症を起こしていることが原因です。
③腎梗塞・腎動脈血栓などの腎臓の中の血管の病気が原因です。
④前立腺肥大・尿路結石・膀胱がんなど、腎臓で尿が作られた後に、外へ排泄する通り道に何らかの問題があることが原因です。

慢性腎不全の原因は以下の3つが考えられます。
①糖尿病性腎症(糖尿病によって腎臓に流れる血液量が増え腎臓内の血圧があがることで、腎臓の細胞が障害されます。)
②慢性糸球体腎炎(糸球体とは腎臓の中で血液をろ過して尿をつくる部位で、この糸球体が炎症を起こすことでタンパク尿や血尿が1年以上続く病気です。)
③腎硬化症(高血圧が原因で腎臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓への血流が減ることが原因です。)
 

腎不全の症状


①浮腫(むくみ):体から水分が十分に排泄されないため体内に水分がたまっている状態です。左右対称であることが多く、10秒以上強く押さえるとへこみが残ることが目安です。
②尿量の変化:腎臓の機能が低下すると、尿量が多くなり、その後さらに機能が低下すると今度は尿量が少なくなります。
③だるさ:末期の腎不全に現れる症状で、腎不全により体に毒素が蓄積することによって起こります。
④貧血:腎臓は尿だけでなくホルモンを作っており、その1つに血液の中の赤血球を作る働きを促すホルモンがあります。腎臓の機能が低下し、このホルモンの分泌が下がることで貧血が起こります。
⑤かゆみ:腎臓の機能が低下すると、いらなくなった老廃物を外に出せなくなり、血液の中や皮膚にたまってしまい、それが原因でかゆみが起きます。

 

腎不全で気を付けたい食事

ビタミン
腎不全の際には、5つのポイントを守って食事に気を付けましょう。
①カロリーを十分にとる
②タンパク質の制限(タンパク質は魚や肉だけではなくごはんやパン、芋類や果物にも含まれますので注意が必要です。)
③塩分の制限(漬物や、ハム・ソーセージなどの加工食品はできるだけ控えましょう。)
④カリウム、リンの制限(果物や海藻には多く含まれるので注意が必要です。小さく切ったり茹でたりするなど調理法でも除去できるので工夫しましょう)
⑤適切な水分をとる(飲む水分量を計量しましょう。)
食事療法や水分制限に関しては、その人の症状や腎臓の働きによって制限の仕方が違いますので、お医者さんから指示されたことを守るようにしましょう。

腎不全の余命

慢性腎不全になった場合、腎臓の機能が回復することはありません。
しかし、すぐ命の危険があるかと言われればそうではなく、近年では医療技術が進歩し腎機能の低下を防いだり遅らせることができるようになりました。
また、腎不全が進行して末期腎不全になったとしても、透析療法や移植手術といった治療法もあり、長い年月付き合っていく病気です。
 

腎不全の治療方法

腎不全
腎不全に治療方法は、その病期のステージによって異なります。

ステージ1(腎臓に障害はあるが働きは正常)2(軽度の機能低下)
⇒糖尿病、脂質代謝異常、高血圧、肥満などの生活習慣病の見直しが主になります。
食事制限(エネルギー制限、塩分制限)を行い、それでも生活習慣病に改善が見られない場合は薬物療法がおこなわれます。

ステージ3(腎臓の機能が健康時に比べて半分近く低下)
⇒腎臓専門医の治療が必要となります。
原因となる腎臓の病気の治療と、生活習慣の改善、薬物療法の3つで治療をしていきます。

ステージ4(腎臓の機能が約30%以下にまで低下し、機能を回復させることができない)
⇒より厳格な食事療法、生活習慣の改善、薬物療法を行います。

ステージ5(腎臓の機能が極度に低下)
⇒腎代替療法が必要になります。
①透析療法:人工腎臓を利用した血液透析と、自分の腹膜を利用する腹膜透析があります。
透析をすることで、血液中の老廃物を除去、体内の水分量の調節、体内の余分な塩分・カリウム・リンの除去、酸性になった血液の改善が行われます。
しかし、透析はあくまで腎臓の働きを助ける役割であって、腎機能を回復することはできないので、継続して食事療法、薬物療法、生活習慣の改善をしていかなくてはなりません。

②腎移植:腎臓をドナーから移植する治療です。腎臓の機能が完全に回復するので、食事や飲水の制限が少なくなり、透析をするよりも生活の制限もありません。
しかし、他人の臓器を体へ移植するわけですから、体が拒否反応を示すこともあります。
その拒否反応を軽減するために免疫抑制剤を飲まなければならず、それによって感染症のリスクもあります。
 

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