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舌苔の原因
舌苔は舌の表面に白や黄色の苔のようなものが付着した状態です。
この付着しているものの正体は、細菌や食べかす、口の中の古くなった粘膜のかすが付着している状態です。
口を開けている癖がある人は、口の中が乾燥して舌苔が出来やすくなります。
また、加齢に伴い、お口の動きが鈍くなり唾液の分泌量が減ることでも舌苔が付着しやすいです。
その他の原因には、ストレスによる影響や免疫力が低下している場合でも舌苔が付着しやすくなります。
もともと舌には、糸状乳頭という突起物が密集して舌の表面を作っています。
食事をすると、この糸状乳頭がにょろにょろと動いて、食道へ食べ物を運ぶ手助けをします。
また、この糸状乳頭の中には茸状乳頭という赤くて丸い点がありますが、この茸状乳頭には味蕾という味覚を感じるために必要なものがあります。
このように舌にも重要な役割がありますが、舌苔が付着していると、食事中の咀嚼や飲み込み憎さを感じたり、味覚の変化や食べ物の味を認識することができず食欲の低下へとつながってしまいます。
舌苔が黄色と白色の違い
舌は古くから中国医学でも、身体状態を把握するため観察する部位の一つだったようです。
この中国医学では、舌、肺、胃、腸などの臓器を一つの臓器として考え、その先端が舌であるとしています。
また、舌には多くの血管が通っており、薄い粘膜の上からでもその血行状態を観察することができるため、舌を診ることで身体状態を診断する事ができるとされていました。
舌苔は健康な人にもあります。
舌苔は弱い舌の粘膜を保護する役名があり、健康な人の舌苔は薄い白色で透明感があります。
牛乳を飲んだ後に舌が白くなる場合がありますが、時間とともに消えることがほとんどです。
これらの白い舌苔は正常ですが、白い舌苔が厚く透明感もない場合には風邪を引いていたり、抵抗力が弱まっている状態です。
さらに口の中の乾燥が進み、免疫力の低下とともに、風邪の悪化で高熱が出たり、胃炎などの胃の状態が悪い場合に舌苔が黄色っぽくなる場合があります。
さらに黄色い舌苔から口臭が強くなる場合もあります。
舌苔にははちみつがいいの?
舌苔の成分はたんぱく質でできています。
はちみつにはたんぱく質を分解する働きがあるため、はちみつを舐めるだけで舌苔が落ちやすくなります。
しかし、はちみつが良いと一口で言っても、はちみつには「純粋はちみつ」と「加工はちみつ」があります。
加工はちみつには人工的に水あめや甘味料を加えた物や、加熱処理などを施して作ったものになります。
そのため、舌苔を分解するために必要な栄養素がなくなってしまい、十分な効果を発揮できない恐れがあります。
もし、舌苔の除去を目的にはちみつを使用する場合は、純粋はちみつを選びましょう。
舌苔が取れないのですが除去する方法はありますか?
舌苔は一度のブラッシングで綺麗に除去できるものではありません。
舌苔の厚さが厚いほど除去するのにも時間がかかります。
人の口の中の細菌増殖は6時間おきにあるとされています。
そのため、朝・昼・夕の食後に1日3回は必ず歯磨きと一緒に舌のケアを行いましょう。
1.口の中を潤すためにうがいをします。
2.厚みのある舌苔の場合、口腔内用の潤滑ジェルを舌の上に塗ります。最初に塗る事で、舌苔が剥がれ落ちやすくなります。
3.歯磨きを一緒にする場合は行っておきましょう。
4.舌ブラシか口腔ケア用スポンジにもう一度潤滑ジェルを付けて、奥から手前に優しくブラッシングします。舌の粘膜は薄く弱い為、強く擦ると舌に傷を作ってしまったり、ヒリヒリしてしまいます。5、6回ブラッシングをしたらうがいをしましょう。
5.上記で終了ですが、もし常に口の中の乾燥が気になる場合は、潤滑ジェルをうがいの後にも薄く舌の上や歯茎、頬の裏の粘膜部分にも塗っておきましょう。
舌苔は臭いの原因
臭いの原因の大半は舌苔が関係しており、約6割が舌苔が原因とされています。
舌苔の原因は細菌や食べかす、口の中の古い粘膜のかすなどが原因です。
舌苔をそのままにしていると、この原因物質は腐敗してどんどん蓄積し臭いの原因となります。
舌苔歯ブラシでとることはできますか?
舌苔は歯ブラシでも取ることができます。
しかし、歯ブラシは歯を磨きやすい形や質感にしているため、舌をブラッシングするには適しません。
歯ブラシは小さいため、何度もブラッシングする必要があります。
また硬い質感なので、すぐに舌を痛めてしまいます。
応急的に1度使用する程度なら歯ブラシでも問題ありませんが、毎日継続的に舌のケアを行う場合は、舌用ブラシか口腔ケア用スポンジを使用しましょう。
舌苔の治療方法
舌苔自体を無くすためにはやはり毎日のケアを行うほかありません。
しかし、舌がヒリヒリしたり、痛みを伴う場合は歯科口腔外科を受診して診断を受ける必要があります。
症状が出現することで、十分な栄養が摂れなくなってしまうためです。
治療の際には採血を行い、痛みやヒリヒリした症状の原因が貧血やビタミン不足なのか、鉄や微量金属の不足なのかを見て判断し内服治療を行います。