脱臼とは
関節を構成する骨同士が本来の位置関係を失っている状態です。
程度により完全と不完全に分類されます。
靭帯・軟骨・骨が損傷を受けることから骨を正しい位置に戻した後に、固定などが必要な場合があります。
脱臼の症状
脱臼する方向はほとんどが前方ですが、稀に後に脱臼します。
完全脱臼の場合、肩関節の激痛、変形、運動制限があります。
一方、不完全脱臼の場合、肩関節の強い痛み、上肢のしびれ感、腕が動かせなくなる、などの症状がみられます。
ただし、関節が柔らかい方では、鋭い痛み、鈍痛、脱力感、違和感など、いろいろな症状を呈します。
脱臼と亜脱臼の違いについて
脱臼(完全脱臼)は、骨と関節の間に接触する部分が無い状態なのですが、亜脱臼は不完全脱臼とも言い関節と骨との間に部分的な接触が残っていることが違いとなります。
脱臼は全治どれくらいなの?
肩は一度脱臼すると、何度も脱臼を繰り返すことがあります。
脱臼した際に壊れた肩関節が、自然には治癒しないためです。
2回以上肩がはずれる場合、手術が必要になります。
しかし近年では反復性脱臼になるよりも前、つまり1回だけの脱臼・亜脱臼の際に手術をし脱臼を治すことも増えています。
通常、スポーツに復帰するまでには、術後4~6か月かかります。
脱臼の手術について
剥離・断裂した関節、骨、靭帯を修復します。
内視鏡の手術と直接開けて行う直視下手術とがあります。
内視鏡手術(関節鏡視下手術)は傷が小さいため正常組織の損傷が少なく、術後の動きの制限が少ないことが特徴です。
そして、直視下手術は従来から行われている方法です。
脱臼を繰り返し、大きな骨の欠損ができてしまった場合などに行います。
靭帯を修復すると同時に骨移植を行います。
費用について、3割負担の方の例で、関節鏡下関節滑膜切除術で入院4日で約13万円、関節鏡下肩腱板断裂手術(腱板修復術、複雑なもの)が約一週間入院で35万円です。
あくまで平成30年6月現在の概算であり、診断名と術式によっても大きく変わります。正
確な金額は病院の会計担当にご確認ください。