脳貧血とは
脳に十分な血液が流れず、めまいなどを引き起こす病気を脳貧血といいます。
鉄分不足や出血により赤血球やヘモグロビンが減少する貧血とは異なり、脳貧血の場合は血液自体には異常はありません。
脳貧血の原因
脳貧血は脳への血液循環がうまくいかないことで起こり、血液循環が悪くなる原因には自律神経の乱れ、低血圧などがあります。
・自律神経が原因の場合
自律神経は血液の流れや心臓の動きをコントロールする働きをもっています。
疲労やストレス、睡眠不足などが自律神経のバランスを崩す要因になります。
・低血圧が原因の場合
収縮期血圧100mmHg以下 /拡張期血圧60mmHg以下を低血圧といいます。
低血圧の人は正常な血圧の人と比べて脳貧血になりやすいといわれています。
血液を脳に送るために必要な血圧が低下しているからです。
・その他が原因の場合
食後に血圧が一時的に下がることがあります。
消化吸収を行うために内蔵に血液が集まるからです。
内服の影響でも血圧が下がることがあります。
これらの場合は低血圧の場合と同じ状態が一時的にみられ、脳への血流が減少してしまいます。
脳貧血の症状
脳に十分な血液が流れないことで起こる症状は、次のようなものがあります。
・めまいがする
・立ちくらみがする
・顔色が悪くなる
・冷や汗がでる
・音が聞こえなくなる
・気が遠くなる
・寒気がする
・手足がしびれる
・手足が冷たくなる
・感覚がなくなる
・動悸や息切れがする
など
脳貧血の予防方法
脳に十分な血液が流れるように自律神経のバランスを整えたり、血液循環をよくしたりすることが脳貧血の予防になります。
・急に起き上がったり、立ち上がったりしない
・ウォーキングなどの運動を適度に行う
・十分な睡眠をとる
・バランスのとれた食事を心がける
・水分補給や適度な塩分補給を行う
・ぬるめのお風呂にゆっくり入る
など
脳貧血の治し方
脳貧血の症状がみられたときの対応として、血液循環をよくして脳に十分な血液を送ることが症状の改善につながります。
・横になる、座る、頭を低くする
・体を締め付けている下着やベルト類を外す
・手足を温める
・症状が落ち着くまでは動かない
・足の筋肉を動かし循環をよくする
など
脳貧血はどこの病院で受診すればいいですか?
脳貧血を引き起こす原因が自律神経の乱れや低血圧であることが多いので、心療内科、神経内科、脳神経内科、循環器内科のある病院がよいでしょう。
また参考までに、聖マリアンナ医科大学東横病院の失神センターでは、循環器内科の医師が中心となり脳貧血の専門として診察や治療を行っています。