不安神経症とは・原因・症状・治療法・遺伝・薬・漢方

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不安神経症とは

不安神経症は、血液検査や画像検査などでは異常が見つからないにもかかわらず、体調不良を感じたり不安な気持ちが続く症状のことです。

心因的な要因からくる「不安症」という病気の通称です。

 

不安神経症の原因

強い不安感が引き金となって、息苦しさや発汗、震えなど、日常生活に支障をきたすような身体への不調が現れるとされています。

しかし、パニック症が緊張状態になると交感神経が優位な状態になるため、という以外にはメカニズムは解明されていません。

交感神経の働きが過剰になると、心臓の鼓動が速くなる、全身の筋肉の緊張や発汗、身体の震え、荒い呼吸などの反応が起こります。

 

不安神経症の症状

不安感を起点にしたものが多く、パニック症や全般不安障害、恐怖症、強迫症、ストレス障害といった病気があります。

緊張や不安などが原因で、自律神経の覚醒を司る「交感神経」の働きが過剰になり、冷や汗をかくことがあります。

・パニック症
「このまま死ぬのでは」や「気が狂ってしまう」などと急に強い不安に襲われ、日常生活や社会生活に支障が出てしまう病気です。
トンネル、飛行機、広場など特定の場所において不安感が増幅する場合に発症しやすくなります。
発症から10分ほどでピークに達し、その後、治まっていく場合がほとんどですが数時間以上続くケースもあります。
発汗、過換気症候群(呼吸ができず、窒息するかもという不安感からパニックになったもの)、身体の震え、吐き気(一時的な脳の酸欠による)、腹部の不快感、めまい、ふらつき、頭が軽くなる、気が遠くなる、寒気、熱感、自分の五感を異常に感じてしまう、現実感の消失(自分が自分でなくなるような感覚)、離人感、抑制力を失う、恐怖感などが症状としてみられます。

・全般不安障害
根拠がなく、あいまいな理由によって不安が継続することによります。
「自分はがん、心臓病ではないか」といった気持ちが過度に起こります。
こうした不安感をベースに不眠症状が出たり、イライラしたりします。
不安が過度になると、特に原因も無いのに頭痛やめまいなどの身体表現性障害や心気症と呼ばれる状態に移行することがあります。

・恐怖症
高所や閉所など、ある特定や状況や対象に対して強い恐怖を感じます。
対人恐怖症や社交恐怖症といったコミュニケーションの障害も含まれます。

・強迫症
日常生活に支障をきたすほどの強迫観念にとらわれます。
潔癖症、拒食症、過食症があります。

・ストレス障害
死に直面するような状況、愛する人との別れ、虐待や交通事故といった、とても大きな出来事に遭遇し強いストレスを感じる状況です。
出来事の直後から長期にわたり大きな不安を感じます。

 

不安神経症の治し方

不安神経症と呼ばれる「不安症」の治療は、心療内科や精神科で行います。

より良い治療を受けるためにも、病院で渡された問診票に率直に困っていることを記載し主治医に詳しく説明してください。

薬物による治療では、ベンゾジアゼピン系というジャンルの抗不安薬や、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)という抗うつ薬が、パニック症やストレス障害などの治療に使われています。

ただし、効果がすぐに出ないことや、薬を止めた時に精神的に不安定になるケース(離脱症状)があるので、薬物以外での治療を優先的する医療機関もあります。

また、薬以外の方法として
・認知行動療法
医師、臨床心理士、カウンセラーなどとの対話の中から「認知のゆがみ」を認め、自分自身が過度に不安に感じていたり、怖がっていたりする対象が実はそうではないと納得し、思考のゆがみを修正しながら不安を引き起こす状況に徐々に慣れさせていきます。
・森田療法
不安や恐怖を「より良く生きたい」という欲望の裏返しであるととらえて排除せず、「あるがまま」の自分を認めて生きることを学ぶ治療法です。

以上の治療法もあります。

 

不安神経症は遺伝するの?

神経症の発症にはある程度、遺伝的な影響もある程度あると言われていますが、より重要なのは幼少時期のトラウマ、性格、育って来た環境など要因が大きいと言われています。
 

不安神経症に良い薬・漢方薬

・抗不安薬
脳神経に直接作用し、不安、恐怖、緊張を和らげる薬です。
長期使用では依存性があらわれるため、一時的に不安を除去する必要がある時のみ使用します。

・ SSRI
抗うつ薬の一種です。
不安障害治療で多く使われています。
安心や鎮静の情報を神経に伝える脳内物質「セロトニン」の濃度を高め、不安や恐怖を抑えます。
効果が出るまでに時間を要するため、中長期的な服用が必要です。

・ β遮断薬
震えや動悸などの身体症状をおさえる薬です。
効果は一時的であり、不安を除去する必要がある時のみ使用します。

・漢方
漢方では、胃腸が弱く疲れやすい、些細なことで傷つきやすい、悪夢をよく見る、などの症状には『加味帰脾湯』があります。
緊張する、疲れやすい、動悸がする、漠然とした不安がある、夜も眠れない、など「あがり症」が昂じると現れやすい症状には『柴胡加竜骨牡蛎湯』があります。
カルシウム配合で、緊張からくる精神の興奮を鎮める作用があります。
 

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