腱鞘炎とは
手には、手首から指先にかけて腱というものと腱鞘という組織があります。
指を曲げ伸ばしするときに腱が腱鞘の中を往復するしくみとなっていますが、腱鞘炎とは、この腱鞘が指先の使い過ぎなどによって、厚くなったり、硬くなったりした結果、腱と腱鞘がこすれあってしまい、炎症が起きてしまう病気のことを指します。
最近では、パソコンやスマートフォンの使い過ぎによって腱鞘炎を起こす方が増えてきています。
腱鞘炎の症状
症状としては、
・指を伸ばそうとすると痛みがある
・手のひら側の指の付け根を押すと痛みを感じる
・指がひっかかるような感じがして、伸ばそうとするとばねが弾むように指が動く(ばね指と呼ばれています)
などの症状がみられます。
なかでも、ばね指は腱鞘炎に特徴的な症状です。
どの指にも起こりやすいですが、一番は親指が多くその次に中指や薬指に多く見られます。
腱鞘炎におすすめの湿布
慢性的な腱鞘炎については、手術のような外科的な手術が必要となりますが、軽い腱鞘炎の場合は湿布にて一時的な痛みや炎症を抑えることが可能です。
腱鞘炎は文字の通り炎症を起こしている状態なので、冷湿布の方が適しています。
温湿布の場合、急性の痛みの場合には逆効果となってしまうため注意が必要です。
湿布の種類は、ハップ剤の方が冷やす効果が高いですがよく動かす関節部分に貼るとすぐに剥がれてしまい不便なため、剥がれてしまうことが嫌な方はテープ剤の方をおすすめします。
腱鞘炎におすすめのサポーター
・手首が痛い場合
手首に巻きつけるタイプのリストバンドタイプのサポーターをおすすめします。
手のひらはフリーになるので邪魔になりません。
・親指が痛いとき
親指+リストバンドタイプをおすすめします。
一体型となっているので、親指に力が入れづらくなり痛みを緩和する効果があります。
・他の指の曲げ伸ばしが痛いとき
手首から指にかけての一体型をおすすめします。
指の曲げ伸ばしが制御されるために動かしづらくなり、痛みを緩和する効果があります。
それぞれ痛みの部位に応じてサポーターを選んでください。
腱鞘炎の治し方
治療内容としては、安静、薬物療法、手術があります。
・安静
腱鞘炎は、手や指の使い過ぎによるものが原因となるため、できるだけ患部を使用せずに安静にすることが第一に選択される治療法となります。
仮に患部を使用しなくてはならない場合でも、過度に使いすぎず適度に休憩を取ることが重要です。
・薬物療法
塗り薬、貼り薬、飲み薬の痛み止めを使用します。
それでも改善が見込めない場合においては、炎症が生じている腱鞘の中に直接注射でステロイド薬を注入する治療法もあります。
注射をしてから2~3週間には症状が改善し、注射の効果は3か月から半年ほど持続します。
・手術
慢性的な腱鞘炎の場合の根本的な治療は手術でしか改善しないことは先ほど記載した通りです。
手術の方法としては、局所麻酔をして行います。
腫れたり、厚くなったりしている腱鞘を切って開きます。
切った腱鞘はそのままにしますが、他にも腱鞘があるので手の機能は問題ありません。
傷跡は1センチ程度と小さく、抜糸までには通常1週間から10日程度です。
入院する必要性もなく、日帰りにて20分程度の時間で済みます。
腱鞘炎手術の費用やリスクについて
手術費用ですが、3割負担で5千円から1万円くらいが相場となります。
リスクとしては、頻度はそんなに高くはないものの再発のリスクが考えられます。
手術したからといって手首た指を使いすぎてしまったりしないように時々休憩を入れるなど、手首や指のストレッチを日常的に取り入れることが大切になります。
その他では、手首の腱鞘炎の場合には、神経損傷により痺れが残ってしまう後遺症を起こすことがまれにあります。
慢性的な腱鞘炎で悩んでいる方は、医師とリスクなどを相談したうえで選択するとよいでしょう。