寝汗の原因と生理や更年期、病気との関係はあるのか

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寝汗の原因

寝汗は非常によくある症状のうちのひとつで、外来患者においても多くの訴えがあります。

しかし、その原因は実に多岐にわたりますので、寝汗が全て何かしらの疾患に結びつくというものではありません。

汗は本来的に体の体温調節を主な目的として行われています。

特に睡眠時には、平常よりやや体温を下げることで良好な睡眠が得られるため(冬眠の例が分かりやすいかと思います)、多くの方が睡眠時には多かれ少なかれ寝汗をかいているということになります。

逆に寝汗を全くかかない人というのは、日中の運動量とそれによる発汗が多いという傾向があります。

適度な運動が良好な睡眠を促す背景にはこのことが作用しています。

そういった正常な生理的理由に伴った寝汗とは別に、精神状態の不良からくる寝汗もあります。

うつや不安障害に伴う症状として、または過度の精神的ストレスから寝汗が増量することがあります。

このようなケースの多くでは、眠りが浅く中途覚醒が多い、悪夢を多く見る、などの症状を伴うことも多くなります。

上半身に多く分泌される粘り気のある汗を盗汗と呼ぶことがあります。

古くから肺結核を始めとした慢性感染症や、悪性腫瘍などの消耗性疾患に伴う所見と考えられてきました。

もちろん盗汗が全例で悪性疾患を示唆するわけでは決してありませんが、継続する盗汗や極端な体重減少を伴う場合などは、内科的な精密検査を受ける価値がある場合もあります。

その他には、甲状腺機能異常などの内分泌疾患に伴う寝汗の増加もあり、極端に疲れやすくなった、生活習慣に変わりはないにも関わらず体重の増減がある、首元の腫れを指摘される、などの場合も念のために受診しておくことが好ましいと言えます。
 

寝汗がひどいって何かの病気なの?

上記のように寝汗の原因は多くありますが、そのほとんどは疾患の存在を示唆するものではありません。

したがって過度の心配をする必要は全くありませんが、常に並存症状にきを配ることが大切です。

上述のように、極端な体重の増減がある、疲れやすい、感染症様症状がある(咳、痰、微熱など)などの場合には放置せず、近隣の内科クリニックを受診してください。

多くの場合で簡単な血液検査と胸部レントゲン写真を含む画像検査で、深刻な疾患の存在は否定することができます。

また、定期的な健康診断の受診も非常に大切で、問診票の症状欄には「寝汗が多い」旨も記しておくと、血液検査結果などを踏まえた上での適切なアドバイスが期待できます。

 

生理前と寝汗の関係ってありますか?

女性は特に血中のホルモンバランスが劇的に移り変わりますので、生理前後に寝汗が多くなる方も珍しくありません。

多くの場合でこれも病的な意義はありませんので過度な心配は不要ですが、過多月経を含む何らかの月経異常を伴う場合は必ず婦人科に相談するようにしてください。

 

寝汗と更年期の関係ってありますか?

女性の更年期においては、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが減少することで、自律神経の異常をきたすようになります。

ホットフラッシュと呼ばれるほてりや発汗は、更年期において特徴的な症状のひとつで、夜間に症状を起こす方ではしばしば寝汗を継続して自覚します。

ですが、多くの場合は閉経後5年前後で次第にこのような症状も軽快します。

症状が強く感じられる場合は我慢せず、内科や婦人科にご相談ください。

適切な治療によって症状は十分に改善が見込めますし、睡眠の質の改善から日中の疲労感を軽減することも期待できます。
 

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