起立性低血圧とは・症状・検査・対処・治療方法

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起立性低血圧とは

起立性低血圧は、立ち上がった際に必要な血圧調整が行われず、一過性の低血圧とそれに伴う症状が引き起こされる病態を指します。

若年から高齢者にいたるまで非常によくみられる、有病率の高い一般的な疾患のひとつです。

起立性低血圧の症状

姿勢を変化して立位の状態になると、重力によって下肢に比較的多くの血液が貯留します。

本来は心臓にこの血液を返す働き(静脈還流)により、一定の血圧が保たれます。

ですが起立性低血圧を持っている方においては、この静脈還流が低下するために心臓からの血液の拍出も減少し、結果として低血圧状態に陥り種々の低血圧関連症状を呈することになります。

ただしこれはあくまで一過性の変化ですので、自律神経系の働きによって心拍数や心収縮の増加を経て次第に血圧値は正常状態へと向かい、それに合わせて関連症状も消退していくことが一般的です。

この静脈還流が減少することの直接の原因としては、薬物によるもの、ホルモン異常に伴うもの、自律神経機能障害、加齢などが考えられていますが、体質性と考えられるものも少なくありません。

起立性低血圧では、立位時に主としてふらつき感を自覚します。

外来受診時には、これを「めまいがする」と訴える患者も少なくはなく、時として良性発作性頭位めまい症やメニエール病などのめまい関連疾患との鑑別(区別)が重要となることもあります。

ふらつきにあわせて、軽度の視野異常(かすんだように見える)、瞬間的な意識消失を伴うこともあります。

重度の起立性低血圧においては、意識障害やけいれんを伴う症例も少数ではありません。



起立性低血圧の検査方法

起立性低血圧においてはその症状発現エピソード(どのようにした時に症状があらわれるか)を聴取することが非常に大切で、したがって医師による問診が診断における最も重要な要素となります。

問診では、あわせて既往歴や現在の内服薬、周辺症状の聞き取りを行い起立性低血圧の可能性とその原因を探ります。

起立性低血圧を客観的に捉えるためには、患者を5分程度仰向けの状態で寝かせておき、血圧と心拍数を測定します。

その後、立位(または座位)に姿勢変化させた状態で再度血圧と心拍数を測定することで、患者の姿勢変化に伴う血行動態を把握することができ、より正確な診断へと結びつけることができます。

その他の疾患による症状発現を除外する目的で、血液検査や心電図検査なども同時行われることが一般的です。

起立性低血圧の対処・治療方法

起立性低血圧を引き起こす原因疾患や薬物が特定されている場合には、原疾患治療と薬物調整が優先されます。

そうでない場合には、症状を発現させない予防的対応が非常に重要で、具体的には日常的な水分摂取を十分に行う、ベッド上・トイレ内・風呂場などの姿勢変化がある場所においては常にゆっくりとした行動を心がける、などが欠かせません。

静脈還流増加の目的に、弾性ストッキングの利用が有効となることもあります。

重度の起立性低血圧や、上記に挙げた予防的対応などでコントロールのつかない起立性低血圧においては、薬物治療の適応もあります。

末梢血管の収縮促進薬であるα作動薬をはじめとした循環作動薬は、起立性低血圧患者に対する効果があるものも確認されています。

また一般的な消炎鎮痛剤であるNSAIDsについても、末梢血管抵抗の増大を通した静脈還流量増大と起立性低血圧予防効果を期待できます。

ですが、当該薬の過剰内服は消化管へのダメージと不要な昇圧を引き起こす可能性があり、定期的な外来受診と評価、投薬コントロールが欠かせないということになります。



 



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