Oー157とは
腸管出血性大腸菌Oー157は、大腸菌の一種であり牛や豚などの家畜の腸にいる大腸菌です。
強力な毒素「ベロ毒素」を出し、少ない細菌数(50~100個程度)でも発病してしまう怖い感染症です。
抵抗力の弱い子供や高齢者が感染すると、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し重症化する事もあります。
Oー157の原因
Oー157は、口から人の身体に侵入すると細菌数が増殖して大腸の腸壁細胞に引っ付きます。
その後強力な毒素「ベロ毒素」を出して腸壁細胞を破壊し、これが出血性の下痢の原因です。
抵抗力が弱い人だと、ベロ毒素は血管内に侵入して全身に巡り細胞を破壊して重症化する危険性もあります。
Oー157の症状
主な症状は
・激しい腹痛
・頻回の水様便(その後出血性の下痢)
・嘔気、嘔吐
・発熱(それほど高い熱ではない)
人によってOー157に感染しても、症状があまりでないこともあります。
無症状から軽い下痢や腹痛で終わる人もいます。
Oー157の感染経路
感染経路は、経口感染です。
Oー157の細菌がついた肉が、そのまま出荷されて飲食店や家庭に届きます。
その後、調理過程で加熱が不十分である、生肉を触った手で調理することなどで感染が広がります。
注意事項として
・肉汁が他の食材にかからないように個別にしておく。
・焼肉の時は、焼くトングと食べる箸は別にする。
・生のレバーやユッケは控える。特に子供や高齢者は食べないようにする。
・飲み水は、水道水や販売されている水を飲む。
などがあります。
Oー157は目には見えません。
予防するためには自分自身で気をつけることが大切です。
手洗いをしっかりして、免疫力を高めるような食事や生活習慣が重要です。
Oー157は感染するの?
Oー157は人から人へと感染します。
家庭内で感染する事もあるので看病をする際には、注意が必要です。
<家庭内で注意すること>
・便や嘔吐物を片付ける際には、必ず手袋やマスクをして手洗いもする。
・ドアノブや家具は消毒液で掃除する。
・感染者の入浴は1番最後にして、お風呂には入らずシャワー浴にする。公衆の温泉やプールは行かない。
・洗濯は別々に洗い、タオルを使い回ししない。
下痢が治ってからでも、5日間くらいは便の中にOー157は存在します。
トイレの後はしっかり手洗いをして周りにうつさないようにしましょう。
Oー157の治療方法
潜伏期間は長く4~8日です。
治療方法は、
・十分な水分補給を行う。
・安静にする。
・下痢、腹痛や脱水がひどく自分で水分を補給できない場合には、点滴治療を行う。
この時期は消化の良い食べ物を食べましょう。
下痢止めは、細菌を体内に残してしまい病状を悪化させる恐れがあるので、使用しません。
1週間前後で症状は良くなっていきます。
<溶血性尿毒症症候群(HUS)に注意する>
抵抗力の弱い子供や高齢者は、症状が始まってから数日間は注意が必要です。
主な症状は
・顔色が悪い
・身体の倦怠感
・尿量が少なく、身体が浮腫んできた
・ボーッとしていて意識がはっきりしない、不穏、頭痛
溶血性尿毒症症候群は、腎機能低下や脳症を引き起こします。
すぐに治療を始めなければなりません、入院して輸液、透析、輸血が必要になります。
少しでもおかしいなと思ったら早めに医療機関を受診しましょう。