大腸菌とは・症状や感染するのか・検査の方法は?

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大腸菌とは

大腸菌はいわゆる細菌の一種ですが、健常な人の大腸にもいくつかの菌株(種類)が生着しています。

なかには新しい遺伝子の獲得に伴い、尿路でも生存できるようになった大腸菌もあり女性の膀胱炎の原因菌としても一般的に知られています。

 

大腸菌の症状

大腸菌感染に伴う感染症は人類にとって非常に一般的なもので、その症状は感染部位に応じて非常に多岐に渡ります。

外傷部(傷口)に感染すれば創部の炎症や腫れ、痛み、発熱の症状がみられ、長期臥床患者などでは褥瘡(床ずれ)の増悪因子ともなります。

また、肺炎や髄膜炎を引き起こす原因のひとつでもあります。

大腸菌が血中に移行してしまった場合、敗血症と呼ばれる深刻な病態を呈し、しばしば血圧の低下に伴うショック状態(敗血症性ショック)にまで至ります。

こういった際には抗生剤治療に合わせた全身管理が重要となり、多くの場合で集中治療室における加療の適応となります。

いくつかの菌株では、消化器症状、特に激しい水溶性下痢などを引き起こすものがあります。

これらの多くは、十分な衛生状態にない開発途上国における飲料水汚染とその飲水などによります。

こういった下痢症は広く「旅行者下痢症」という呼称で知られているものです。
 

大腸菌って感染するの?

大腸菌は人体への感染力を持った細菌のひとつですので、当然人から人への感染を起こします。

ただし全ての菌株が深刻な症状を引き起こすわけではなく、多くの人の大腸に定着し特になんらかの症状を示さないものもあります。

反対に腸管出血性大腸菌と称される菌株では、大量の毒素を産生し非常に重篤な炎症を惹起します。

基本的な感染予防は他の細菌類やウイルス類とも大差はなく、やはり清潔の保持が欠かせません。

流水による手洗いは簡便でかつ、非常に効果の高い大腸菌感染予防策と言えます。

特に乳幼児は大腸菌感染を起こす機会が多くなりますので本人の清潔保持に加え、保護者が感染を媒介しないよう注意することも非常に大切です。

流水による手洗い以外では、速乾性アルコールによる手指消毒も簡便で高い効果が期待できますので常備しておくと良いでしょう。

 

大腸菌の検査方法

大腸菌感染を起こしていると考えられる生体飼料(尿、痰、便、皮膚組織など)を採取、培養することで大腸菌感染を直接同定することができます。

これと同時に抗生剤の感受性をチェックすることで、感染を起こした特定の菌株に有効な抗生剤を選択することができ効果的で有効な治療法選択に結びつけることができます。
 

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