看護師必見・消化器内科病棟の魅力や辛さ・向いてる人向いてない人

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消化器内科病棟の良いところ

消化器内科といえば、消化器全般(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸などの消化管と肝臓・胆嚢・膵臓などの臓器)を対象とした科です。

内科病棟ですので、手術よりも侵襲が少ない内視鏡による検査や治療、肝臓癌に対するRFA(ラジオ波焼灼術)やTAE(肝動脈塞栓術)などの治療や、各種消化器癌に対する放射線・化学療法、といった治療が主なものです。

消化器内科は、他の科に比べると対象とする範囲も多く、幅広い範囲の知識が必要となります。

しかしながら、この知識はどこの科であってもベースとして必要な知識です。

慣れるまでは大変ですが、患者に寄り添って看護をしていくうちに多くの技術や知識、そしてアセスメント能力を得ることができます。

慢性疾患や終末期の患者さんも多く、患者一人一人と深く長く関わることで患者を全人的にサポートできるため、看護師としてのやりがいを感じられる病棟ではないかと思います。

消化器内科病棟のしんどいところ

内科病棟は外科病棟を比べると目に見えて治療の結果が現れるわけではない、というのはよくあるイメージです。

まさにその通りで、消化器内科に来る患者の特徴として、特に消化器癌の患者さんは緩やかに症状が悪化していきます。

内視鏡治療を目的に入院して来る患者は、病変が早期発見されて手術の一歩手前のことがほとんどです。

病変が切除できれば、1週間程度の入院で退院することができ、その後は外来で経過をみることになります。

しかし、化学療法を受ける患者は、手術が適応外でありこれらの治療を選択されているということでもあります。

そのため必然的に癌のステージが重い段階にあることもしばしばです。

消化器癌の特徴として、ステージが重く化学療法の治療選択になった段階では癌が完治することはかなり難しくなります。

消化器癌の化学療法治療の目的は、「完治」ではなく「なるべく病状を悪化させずに元気に過ごす」ことでもあります。

もちろん最終的には、終末期ケアや緩和ケアが必要になることもあります。

看護師として患者に元気になってもらいたいと思うのは当然ですが、だんだんと病状が悪化していく患者と向き合い、身体的・精神的にもサポートをしていく必要がある消化器内科では、自分自身のモチベーションを保つことがしんどいな、と思うこともあるかもしれません。

消化器内科病棟に向いている人

消化器内科は、疾患や症状の多様性から他職種との連携もとても大切になります。

院内の他職種だけでなく、時には転院調整や退院支援が必要になり病院外との連携が必要になることもあります。

その点では、高いコミュニケーション能力が求められるかもしれません。

また、癌や慢性期の患者が多いため、病気や治療そのものの苦しみや痛みだけでなく、それらに伴う精神的な苦痛へのケアも求められます。

患者のQOLを意識することや、患者の思いに寄り添った看護をすることがより重要となるため、一人一人と深く長く関わることができる人が消化器内科病棟に向いているのではないかと思います。

消化器内科病棟に向いていない人

これまでに述べた消化器内科の特徴を踏まえると、病状が良くなるにも悪くなるにも、緩やかな変化を伴うことがほとんどです。

そういった点では、毎日に変化を求める方には向いていないかもしれません。

患者に寄り添いじっくりと関わり合うことがより重要となるため、性格的に白黒はっきりさせたい方には向いていない病棟である可能性があります。
 

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