褥瘡・床ずれとは・原因・予防・治療法・防止用具

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褥瘡とは

褥瘡(いわゆる床ずれ)は、寝たきりなどで体の一部分に体重がかかって圧迫され、その場所の血流が悪くなったり滞るために、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。

 

褥瘡の原因

普段、無意識のうちに眠っている間は寝返りをうち、長時間椅子に座っているときは足組みを変えたり、お尻を浮かせたりなどして、同じ部位に長時間の圧迫が加わらないようにしています。

しかし自分でこのような体位変換できない方は、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に血液、つまり酸素や栄養が十分に行き渡らなくなり、これにより「褥瘡」ができます。

このように、自分で体位変換ができずに長時間寝たきりのほか、栄養状態が悪い、皮膚が弱くなっている、排泄物や汗により皮膚のふやけがある、むくみが強い、抗がん剤やステロイドなど薬の副作用で免疫力が低くなっている人は、圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合も褥瘡になりやすいです。

また、褥瘡に注意しなければならない病気としては、うっ血性心不全、大腿骨や骨盤の骨折、脊髄損傷、糖尿病、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患があります。

褥瘡の予防

原因にある体位変換を一定時間ごと(主に1~2時間おき)に介助者が行うことが基本です。

さらに、圧力を分散するマットレスを使う以外にも、クッションを使用します。

 

褥瘡の治療方法

褥瘡のできやすい部位は、寝ているからだの向きや姿勢によって違ってきます。

褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっている場合、人差し指で赤くなっている部分を軽く3秒ほど圧迫し白っぽく変化するかどうかで確認します(指押し法)。

押したときに白く変化し、離すと再び赤みがさすものは褥瘡ではありません。

押しても赤みが消えず、そのままの状態であれば(初期の)褥瘡と考えます。

そして治療法は大きく3つあります。
・保存的治療として外用薬剤(ぬり薬)や創傷被覆材(ドレッシング材)を使う方法
・物理療法
・外科的治療(手術)

原則として日本褥瘡学会が定めた「褥瘡予防・管理ガイドライン」に沿って、最も適切であると判断される治療を進めていきます。

皮膚科、形成外科、外科、内科、リハビリテーション科、整形外科など、様々な診療科に褥瘡診療を専門とする医師がいますので、まずはそこで相談してください。
 

床ずれ防止用具はどんなのがおすすめですか?

まず、自分で寝返りができる場合、一定箇所にかかる圧迫力を小さくすることが大切です。

できるだけ圧力を受ける身体の面積を大きくすることで、圧力を分散し本来圧迫を受けやすかった部位の負担を軽減することができます。

ウレタンなどの特殊素材を用い、身体全体を包み込んで受圧面積を広げ圧力を分散する静止型マットレスがおすすめです。

自身で体位変換できない場合は、圧切替型エアマットレス(身体を支えている部分を定期的に切り替えることで、圧迫を受ける身体の部位を移動する圧切替型エアーマットレス)や、体位変換器(体位変換を行うことで、圧迫を受ける身体の部位を移動)、寝返り介助の補助具なども含まれます。
 

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