腹水がたまる原因と症状・治療と放置しておくと…

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腹水がたまる原因

文字通り、腹部に不必要な水分が貯留した状態を指します。

健常な方にも少量(数十cc程度)の腹水はみられます。

腹膜などで作られた腹水は血管による吸収との適切なバランスが最も重要ですが、これが不均衡となると異常な腹水貯留を認めることになります。

肝炎や肝硬変に伴う肝臓の機能低下は、アルブミン(タンパク質の一種)の合成低下につながります。

血管内の浸透圧が下がり、水分を吸収・保持する能力が低下しますが、これが腹水の原因としては高い頻度でみられます。

その他、心不全や腎炎、人工透析、内分泌疾患や、悪性新生物(がん)に伴うがん性腹膜炎でも異常な腹水貯留がみられることがあります。

 

腹水の症状ってどんなの?

腹水が貯留すると、初期のうちは特段の症状を示さないことも珍しくはありません。

一方で著明な腹水貯留となると、外見からも容易に変化を確認することができるようになります。

腹部の膨隆やそれに伴うお腹の張り感や痛み、違和感を継続して自覚します。

また体重の増加と尿量の減少を伴うことが一般的です。

また、腹水の貯留は上記に挙げたような明確な背景疾患を伴うことが多くなりますので、原因疾患による症状も併存していることになりますが、体調の極端な変化を見逃さないようにしておくことが大切です。
 

腹水が溜まった時の対処法

医療機関を受診し、診察および画像診断にて病的な腹水があることを確認された場合は、まず安静と食事における塩分の制限を行うことになります。

病状次第では経口的に補充する水分量そのものを制限することもあります。

これらの対応によってコントロールできない、あるいは症状が強いために急速な除去が必要である場合は、腹水穿刺という処置を行います。

腹部に体表から注射針を刺し、腹水を直接除去する方法です。

言葉による説明だけを受けると大変な手技であるように思われますが、一般的にベッドサイドで施行可能な処置で、もちろん全身麻酔などを要することはあまりありません。

抜いた腹水をただ破棄するのではなく、水分を取り除いた上、必要な成分のみを体内に戻す腹水ろ過濃縮再静注療法(CART)が選択されることもあります。

 

腹水を放置しておくとどうなるの?

症状のある腹水については、放置することは危険と言えます。

腹水による症状・経過そのものも当然問題とはなりますが、上記のように腹水は基礎疾患の存在とその病状の進行を示していることが普通です。

したがって必ずかかりつけ医を受診し、原因疾患に対する追加検査を含めて行うことが必要です。

ただし、一般的には高度の腹水がある場合、腹部の張り感や痛みが強く出ますので放置しておくこと自体も難しいかもしれません。
 

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