蓄膿症の原因
蓄膿症の正式名称は慢性副鼻腔炎といい、副鼻腔は蝶形骨洞、前頭洞、篩骨洞、上顎洞の4つがあり、全て鼻腔に繋がっています。
一番大きなのは目の下で鼻の外側にある上顎洞です。
上顎洞と鼻腔と繋がる穴を「自然口」といい、炎症で腫れるなどしてふさがると、上顎洞が換気不全を起こします。
換気が悪くなると、副鼻腔内で細菌が増殖して上顎洞の内側の粘膜の炎症が強くなります。
炎症が強くなると粘膜のせん毛の動きが阻害され、鼻水や膿などの分泌物が鼻腔に排出されなくなり溜まります。
これが副鼻腔炎の正体です。
炎症が波及する原因は主に2つあります。
1つは上あごの歯の虫歯や歯周病により、細菌類が上顎洞に入った場合です。
もう一つは鼻(鼻腔)から上顎洞に炎症が広がった場合で、細菌感染だけでなく、アレルギー疾患によるものが増えてきています。
蓄膿症からくる症状
・膿が溜まるので膿のくさい臭いを感じるようになります。
・鼻の横あたりが重い感じ、痛い感じがあります。
・頭重感を感じることが多くなります。
蓄膿症の治療方法
まずは鼻の中をきれいに吸引・掃除したり、ネブライザーという霧吹きのような機械で薬液を鼻腔から吸い込む治療がおこなわれます。
自宅では抗生物質を内服します。
マクロライドというジャンルの抗生物質を2~3か月内服することが多いです。
合わせて痰や鼻水を出しやすくする気道粘膜修復剤や気道粘液溶解剤も内服することがあります。
蓄膿症の原因によって方法が異なります。
上あごの歯の虫歯や歯周病からくる場合は、原因となった歯の治療が必要です。
保存できないことが多いと思いますので、抜歯をし、その抜けた穴から排膿させ上顎洞を洗浄します。
鼻からきた蓄膿症の場合は、手術を検討します。
昔の蓄膿症の手術は、口の中からの手術です。
歯ぐきに切開を入れてめくり、上顎洞の骨を削って副鼻腔に入り腫れた粘膜をすべて取り除き、膿も出すという手術でした。
今は内視鏡を使った「内視鏡下鼻内副鼻腔手術」で、鼻と上顎洞との間に穴を開ける手術をします。
傷も見えず、入院も短期間で済むので、患者さんに負担のかからない手術へと大きく変わっています。
蓄膿症を放置しておくとどうなるの?
まずはネバネバの鼻水が喉に流れてきます。
そして鼻づまりがひどくなります。
鼻の粘膜が腫れるだけでなく、鼻の中にポリープ(鼻茸)ができるためです。
また、頭痛や頭がぼーっとしたり、臭いを感じなくなる、もしくはずっと臭いがする、という方もいます。