メラノーマの原因
メラノーマ(悪性黒色腫)は皮膚に生じる悪性疾患のひとつで、皮膚の基底部に存在するメラノサイトという色素細胞のがん化によって発生するとされています。
過去にはほくろや表皮の長期刺激にともなってがん化すると考えられていたこともありましたが、このことは現在では完全に否定されています。
メラノーマは詳細な分類を行うと4つに分かれますが、一部は紫外線との関係が指摘されており、日焼けマシーンの使用など短期間で高度の紫外線照射を受ける場合、発生リスクが有意に上昇することも示されています。
メラノーマって症状とかあるの?
メラノーマは悪性腫瘍のひとつですので、進行して遠隔転移などを認めるステージまでに至ると、他の悪性疾患と同等の強い全身症状を示すことになります。
しかし、 初期のメラノーマにおいては皮膚病変を認める以外には、強い全身症状を認めることはあまり一般的ではありません。
また、定期的な健康診断においても医師の診察で全身を隅々まで確認することは現実的ではありませんので、入浴時など普段から皮膚の変化を確認しておき、異常を確認した際は早めに皮膚科を受診することが好ましいと言えます。
一見してほくろとの違いを見分けることは難しいですが、色むらがある、辺縁がギザギザしている、大きい、拡大している、かたくなっている、などを認めた場合は専門的な検査を行うことがすすめられます。
メラノーマってどこにでもできる?
原因細胞であるメラノサイトそのものは全身に広く存在しているため、メラノーマは顔面や胸部、腹部、背面など、いたるところに発生する可能性があり、手・足・爪などにもみられます。
皮膚以外には粘膜などにもメラノサイトは存在し、眼球、生殖器、肛門や消化管などにも発生することがあります。
部位別にみるとやはり皮膚が最も高頻度にみられますが、日本人においては指先や手のひら、足の裏、爪の頻度が高く、全体の半数以上を占めます。
メラノーマの検査
医師の肉眼的な直接視診のあと、ダーモスコピーと呼ばれる特殊観察を行います。
強い光線を照射し、病変部を拡大して観察します。
この方法によって色素沈着や、色調、表面パターンを詳しく観察することが可能となり、無害性のほくろやシミと、悪性腫瘍であるメラノーマを見分けられる可能性が高くなります。
確定診断のためには、病変を切除・採取し、組織を調べる生検が行われます。
ただし、ダーモスコピーまでで診断が明らかな場合にはこの生検が行われません。
メラノーマの確定診断に至ると、腫瘍の進展度を確認するため各種画像検査(単純レントゲン写真、超音波検査、CT、MRI、PET検査など)に進みます。
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メラノーマの治療方法
化学療法(薬物を用いた治療)も種々開発されていますが、一般的にはメラノーマの治療における第一選択とはなりません。
手術ができない症例(進行期である、全身状態が悪い、など)や術後の補助療法として化学療法が用いられます。
したがって、メラノーマの診断がついた場合は手術が原則となり、腫瘍周囲から余裕を持たせての全摘出術を行います。
メラノーマを放置しているとどうなるの?
メラノーマは悪性腫瘍ですので、治療を行わない場合、自然と病期が進行していきます。
病期4期(ステージ4)に至ると、5年生存率は10%以下となってしまいます。
メラノーマは他の癌種と比べても悪性度が高いことで知られています。
したがって、皮膚や爪などに上記のような異常を認めた際は、できるだけ早期に皮膚科を受診するようにしましょう。
早期の治療介入が予後を著明に改善します。