脳炎の原因
脳に炎症が起きている状態で、その原因は不明な場合が多いです。
しかし、原因が分かるものでウイルス感染(ヒト免疫不全ウイルス、インフルエンザウイルス、エンテロウイルスなど)が挙げられます。
また、脳とは別の場所で感染をし、それが脳に移動して炎症を起こす場合と、他の病原体が脳に感染して炎症を起こす場合があります。
一般的に予後が悪く、早期の対応と治療を必要とする病気です。
脳炎の症状
脳炎は時に、髄膜炎を併発することがあります。
髄膜炎とは脳全体を覆っている髄膜に炎症が起こる病気です。
その症状は頭痛、発熱、嘔吐があります。脳炎の症状は、発熱、頭痛、意識障害、首の硬直です。
時には、インフルエンザに罹った時のような症状(咳、喉の痛み、鼻水、筋肉痛など)の症状が現れることもあります。
これらは感染した病原体によっても発熱の状態や、症状の出現が異なってきます。
脳炎にはどんな治療があるの
脳炎の治療は入院が必要で、全身管理の元行われます。
また、感染の原因菌を特定するために、腰椎検査と言って局所麻酔下で腰から髄液を採取して病原菌の特定を行います。
炎症が原因の分かるウイルス感染であれば、その原因菌を退治する抗ウイルス薬を投与します。
細菌性の感染であれば、抗菌薬の投与を行います。
同時に脳の炎症を押さえるために、ステロイドの点滴投与があります。
また、痙攣が出現している場合には抗痙攣薬の投与も行います。
まれに、水ぼうそうやおたふく風邪、麻疹風疹の合併症で脳炎を起こす場合がありますが、それらはワクチンの投与で予防が可能です。
後程、説明にもありますが、脳炎の場合後遺症が残る可能性が高いです。
その場合、入院中からリハビリを開始し、その症状を軽減することができます。
脳炎の後遺症
脳炎の治療が終了しても、1~3か月の間に意識がボーっとすることや、音に過敏になるような症状が現れる場合があります。
また、記憶力も低下し、考えることも難しくなるような場合があります。
他にも、脳炎の治療が遅れることや炎症が強い場合は、言語障害や記憶障害、運動障害、性格の変化などの後遺症が予測されます。
幼児に起こりやすい急性脳症の場合、治療後高い確率で知的障害や運動障害、てんかんの後遺症が残りやすいです。
そのため、異常な興奮や痙攣が出現した場合は迅速に救急車で病院へ搬送する必要があります。