解離性障害の原因と対応・もし症状を放置していると…。

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解離性障害とは

耐え難い体験や苦痛によって危機を感じた時、無意識に外部との接触を断ち切るような状態に自分を置く事で自我を守ろうとする反応と考えられ、記憶、意識、知覚などをまとめる事が出来ず、記憶の喪失、異常感覚・行動、人格障害などが現れます。

原因

命に関わるような体験であったり、押しつぶされそうな不安やストレスに一過性、もしくは慢性的にさらされたことにより起こるとされています。

災害、犯罪、事故、暴力、いじめ、虐待、監禁、などの体験によって引き起こされると考えられています。

症状

解離性障害は、”自分が自分じゃなくなる”状態が起こります。

意識や記憶、思考や感情、行動などが自分自身が思う自分とは全く別物であるかのように感じます。

・健忘(けんぼう)
過去の一定期間の出来事や生い立ちに関わる記憶(氏名、年齢、生年月日、友人、知人など)が抜け落ちてしまいます。
いつ、どこで、何をしたかなど自分に関わることが主で、日常生活を送るための一般常識や社会的出来事、言語能力など学習したことは保たれていることが多いです。

・遁走(とんそう:fugue)
耐え難い苦痛や体験から、逃げ出したいという強い衝動が実際の行動として現れ、数日もしくは数ヶ月間に及び生活を捨て逃亡したい気持ちになります。
行方不明になり、全く新しい生活を始めている場合もあります。
発見された時には、その期間のことが一切思い出せないことがあります。

・離人症
自分自身の身体も思考も自分のものではないよう感じ、体の外から自分を眺めているような感覚に陥ることを示します。
何もかもが現実味を帯びず、実感がないように感じます。

・解離性同一性障害(多重人格性障害)
自分の中に全く別の異なる人格が存在し、それが交代して現れる。前面に出た人格がその時の行動などを支配し、別の人格が現れている時間の出来事は全く思い出すことができないことが多いです。
自分自身の人格とは大きく異なる人格が(攻撃性や幼児性など)存在するため、日常生活や対人関係に問題を生じることが多いです。

*小児症:幼児のような喋り方、身振り、行動を起こし、自分は幼児であると疑わず食事や世話の介助を求めます。
*Ganser(ガンサー)症候群:とぼけたり、ふざけているかのように、わざとらしく、馬鹿げていると思うような愚かな行動をとります。

・身体的な症状として現れる(転換)
解離性運動障害(歩けない、立てないなどの足の脱力、けいれん、声が出ないなどの失声)
カタレプシー(一度とった姿勢が解除できない。体が硬くなり自発的に動かせない)
感覚障害(手袋やストッキングなどを通して刺激を感じているかのような違和感、感覚がない)
解離性てんかん(意識を失い、体が動かせなくなる。)

その他、心因性難聴・錯乱・振戦、視野狭窄など様々ものが出現することがありますが、症状は一律に全て起こるわけではなく、起こるタイミング、程度なども多様です。



治療方法

治療の基本は心理療法と環境調整になります。

まずは、精神科医の専門的な診察を受けましょう。

他の精神障害(てんかんや統合失調症など)や脳疾患ではないことを精神的・身体的に確認する必要があります。

専門医を受診することは、本人が安心し病気に向き合うきっかけとなるだけでなく、解離性障害は薬物療法では治らないと考えられているため、無用な治療・催眠や暗示などが行われると症状が悪化することを避けるために重要となります。

・原因を明確にする
身体的な症状だけでの場合では、特に本人が苦痛を転換できていることで安心し治療に無関心になる状態があります。
医師と本人自身の双方が今までの出来事(病例や症状も含め)、本人の人柄、環境など、その人自身を形成してきた過去を正しく知り、どのようなストレスやできごとが影響しているのかを確認します。
どのような症状が日常生活上に影響を与えるほど問題となっているかを認知し、本人や周囲の関わる人々(家族など)がこの障害を理解し受け入れられるよう問題を明確にすることで、ともに改善に向けて環境を整えていくことが大切です。

・受け入れる
解離性障害の原因は過去の耐え難い経験や苦痛であるとされていることを踏まえて、本人が自分自身の心の奥を表現できるよう、症状や表現方法を認めましょう。
安堵でき自己表現ができる環境は、相手を信じる心の元育まれ、解決までには長い時間がかかることもあります。
また、解離性障害の症状は変化したり消失することもあるため、”見守る”ということも時に必要でしょう。

相談
問題となる行動や言動の対応などについては主治医や、地域にある相談先にいる専門医療職と相談するようにすると良いでしょう。

相談先:保健所(保健センター)、精神保健福祉センター(こころの健康センター)、こころの耳(働く人のメンタルヘルス)など

解離性障害を放置していると

症状は一過性である場合もあります。

しかし、放置しておくことで自分では抑制できない思考や発言、行動などが現れ、人間関係に問題が起こるようになるとともに、本人が意図しない犯罪や事故などを引き起こす危険もあります。

また、家族を持っている場合はさらに家庭崩壊や子どもの心身発達にも影響を及ぼすでしょう。

思春期であれば、自己の人格形成が十分にできないパーソナリティ障害、自分や環境に生き生きとした現実感が感じられなくなり、ぼんやりとするなど離人症や強い不安症状が出やすくなります。

人を愛することも、愛されているとの実感も得にくく、ストレスや対人関係に対してうまく対処することができないことが多いため、社会の中で生きづらく、うつ病や自殺につながる危険もあります。
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