バセドウ病・甲状腺機能亢進症の原因と症状と治療法

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バセドウ病とは

甲状腺は首の前面の中央部に触れる器官があります。(喉仏ではないです)

その甲状腺の機能が亢進してしまった病気のことです。

「甲状腺機能亢進症」とも言います。

甲状腺ホルモンが何らかの原因で過剰に出る、女性に多い病気で、男性の約5~6倍多いと言われています。

 

バセドウ病の原因

バセドウ病の人の家族の中には15%くらいの割合で同じ病気の人がいるとされており、遺伝的要因が考えられます。

また出産などの体内環境が変わった後に病気になったり、ストレスなどの複数の要因が関係しているといわれています。

喫煙者にも多いことが知られていますが、治りにくく再発しやすい傾向にもあります。

自己免疫疾患としても知られているので、花粉症や、アトピー性皮膚炎などのアレルギーがある人もバセドウ病になりやすい要因といわれています。

 

バセドウ病の症状とは?

特徴的な症状として、眼球突出、頻脈、甲状腺肥大(首が腫れる)の3兆候が知られています。

ほかの症状としては、動機、息切れ、手足のしびれ、疲れやすい、不眠、食欲は関係なく体重が減少する、汗を多くかく、喉が渇くなどがあります。

女性は月経不順や無月経になることも症状のひとつです。。

上記すべてが当てはまるとは限りませんが、環境の変化や、自身の体調に変化やいくつか該当する症状があればバセドウ病の疑いがあります。

放置すると重症化する恐れがありますので、早めに病院を受診したほうが良いでしょう。
 

バセドウ病は治療したら治るの?

・薬物治療
主にバセドウ病の初期や、病気の程度が軽い人が対象となります。
通常の生活を続けながら通院で治療することが可能です。
ただし長期間の服用が必要になります。
ホルモンを調整する薬なので、通院しながら適切な量を内服していく必要があります。
そのため医学的な管理は不可欠です。

・手術治療
甲状腺を切って甲状腺ホルモンの排出を抑え調整することを目的に行います。
内服治療では病状が改善しない、甲状腺の腫れが大きい、薬の副作用が強い人などが対象となります。
手術のための入院が必要となり、手術そのものに危険はありますが、手術後は高確率で内服の必要がなくなりますので、日常生活の負担が減ります。
また手術といえば、首・のど元の皮膚を切開するので傷あとが残ることが気になるところですが、最近では傷がほとんどわからない程度にすることも可能になってきています。
病院によって方法が違うので主治医へ確認することが望ましいです。

・放射線ヨード治療(アイソトープ治療)
放射線ヨード剤を服用し、放射線を利用して甲状せん細胞を減少させていく治療方法です。
薬物治療や手術が困難な人、甲状腺を小さくしたい人、心臓や肝臓病など全身や慢性の病気がある人などが対象になります。
放射線というと心配する人がいるかもしれないですが、使用する放射線ヨード剤ではがんの心配はないとされています。
また妊婦さんや眼球突出がひどい場合は治療できません。

 

バセドウ病って治るの?

・内服薬の治療の効果
通院のみでよいという利点はあるものの、甲状腺ホルモンの調整を図るために症状や検査値で経過を見ていきます。
微妙な調整が必要なので治療は基本的に長期となりやすく、年単位と考えるほうが良いでしょう。
「治る」というより症状がおさまる「寛解(かんかい)」という状態がバセドウ病では基準となります。
長期の治療経過後、寛解するのは全体の60%程度といわれ、決して高くありません。
もちろん再発することもありますので、その際は医師とよく相談する必要があります。

・手術療法の効果
甲状腺の一部をとることでホルモン量を調整します。
ただし手術の時、再発予防のために広範囲に甲状腺をとるがあります。
この場合、甲状腺機能低下を起こすことがあり数か月程度は内服治療が必要になってきますが、これを過ぎると80~90%くらいの割合で寛解となります。
再発は数%とされており、比較的良好な経過だといえます。

・アイソトープ治療の効果
内服約治療ほど長期にはならないですが、一回ではなく複数回の治療を必要とすることが多いです。
放射線を使用する治療のため、食事など一部生活制限を受けることがありますが、痛みなどはありません。
治療経過は甲状腺ホルモンが安定するまで約2から6か月以上かけて正常化していきます。
約60%~70%が寛解し、再発は少ないといわれています。
しかし医療施設や技術者の問題から、日本ではあまり普及していません。

様々な原因があるので、生活を見直す必要があれば改善し治療に備えたほうが良いでしょう。
バセドウ病は長期にわたり治療を要する病気といえます。
自分の状態をよく知り、医師ともよく話し合いながら治療を進めていく必要があります。
 

-甲状腺, 膠原病

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