前立腺肥大の原因や症状や放置しているとどうなるのか

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前立腺肥大の原因

前立腺は、男性の体だけにある臓器です。

大きさは栗の実程度で、膀胱のすぐ下にあります。

前立腺の中には、おしっこの通り道である尿道と、精子の通り道である射精管が通っています。

前立腺の役割は、精液の一部である前立腺液を分泌することです。

前立腺液の役割は不明な部分もありますが、精子が泳ぐための栄養になっていると考えられています。

また、前立腺が肥大する原因の詳細は、いまだわかっていません。

しかし、年齢と共に男性ホルモンの働きが低下することや、女性ホルモンとのバランスが崩れてしまうことなどが要因と考えられています。

前立腺肥大の症状

前立腺が大きくなると、尿道を圧迫するために、排尿に関わる症状を引き起こします。

これらの症状は、大きくなった前立腺が尿の通り道を刺激することで起きる刺激症状と、尿の通り道を塞いでしまうために起こる閉塞症状に大別されます。

〇刺激症状
・頻尿
トイレが近くなり、頻回にトイレに行きます。

・尿意切迫
突然に尿意が襲います。電車やバスなど、トイレのない場所が不安になることもあるようです。

・夜間頻尿
夜寝てから朝起きるまでに、何回もトイレに行きます。夜間の睡眠が短くなったり浅くなったりすることで、十分に睡眠が確保できず、日中の活動に影響することもあります。

・切迫性尿失禁
突然の尿意に襲われ、我慢できないことがあります。
閉塞症状

・排尿開始の遅れ
尿の出始めに時間がかかったり、すぐに出ないなどの症状です。

・尿の勢いの低下
尿の勢いが弱くなったり、途中で途切れることがあります。

・排尿時間延長
排尿にかかる時間が長くなります。

・残尿感
尿を出し終えた後も、まだ尿が残っているような不快な感覚が残ります。

・溢流性尿失禁
自分で尿を出すことができず、少しずつ尿が漏れ出てしまいます。

・尿路感染
尿を出し切ることができず膀胱に残尿が残るようになると、膀胱の中で細菌が繁殖し感染を起こすことがあります。膀胱炎となった場合には、排尿時のツーンとしみる様な痛みや、血尿が出ることがあります。

このように前立腺肥大による症状はさまざまありますが、前立腺が肥大していても症状がない人もいます。

また、これらの症状の多くは個人差があり主観を伴うため、世界共通の「国際前立腺症状スコア」があります。

これは0~5の6段階に分かれており、点数が高いほど日常生活に影響を及ぼしているということになります。

参考にしてください。

【国際前立腺症状スコア】(ここ1ヶ月の間について)
排尿後に尿がまだ残っている感じがありましたか
排尿後2時間以内にもう一度しなくてはならないことがありましたか
尿をしている間に尿が何度も途切れることがありましたか
尿を我慢することが難しいことがありましたか
尿の勢いが弱いことがありましたか
尿をし始めるためにお腹に力を入れることがありましたか
夜寝てから朝起きるまでの間に、ふつう何回尿をするために起きましたか




前立腺肥大の検査方法

・尿検査
尿に血が混じっていないか、膀胱炎を起こしていないかなどを調べます。

・直腸診
肛門に指を入れ、前立腺に触れることで大きさ、硬さ、痛みの有無などを確認します。

・超音波検査
前立腺や膀胱の大きさや形を調べます。お腹に超音波を当てる方法と、肛門に専用のプローブを挿れて検査する方法があります。

・尿流量測定
専用の機械を使い、尿の勢いや排尿にかかる時間を調べます。

・残尿検査
尿を終えた後に、清潔な管を尿道口から入れ、膀胱に残っている尿量を測ることができます。

・血液検査
前立腺の病気には、前立腺肥大の他に前立腺癌があります。
血液検査を行うことで、前立腺癌の疑いがないか調べることができます。

・逆行性尿道造影
尿道口から造影剤を入れ、尿道や膀胱の状態を観察します。

前立腺肥大の治療方法

前立腺肥大は基本的には良性ですので、重症にならない限りは命を脅かす心配はありません。

前立腺肥大があった場合でも、症状が軽く、本人が生活する上で不自由を感じていなければ、経過を観察することもあります。

一方で、前立腺肥大による症状があり、日常生活を送るうえである程度の困難を感じている場合には通常は内服による治療から始まることが多いでしょう。

症状が強く、尿路感染を繰り返す場合や、重症な状態の場合には手術の適応となります。

〇内服による治療
・α1ブロッカー
現在最も多く治療に使われている薬です。
尿道や前立腺の筋肉を弛緩させることで、尿の通りを良くします。
この薬は前立腺を小さくする作用はありませんが、内服を始めて1週間程度で効果が現れると言われています。

・5α還元酵素阻害薬
テストステロンという男性ホルモンの効果を抑えることで、前立腺を小さくします。
この薬は長期間の服用により、効果を発揮します。
前立腺だけの男性ホルモンの効果を抑制するので、通常は性欲の減退や勃起障害は発生しないと言われています。

・抗アンドロゲン剤
アンドロゲンという男性ホルモンの分泌を抑えることで、前立腺を小さくする薬です。
この薬の副作用として、性欲の減退や勃起障害があります。

〇手術療法
・経尿道的前立腺切徐術(けいにょうどうてきぜんりつせんせつじょじゅつ)
尿道から内視鏡を挿入し、電気メスを使って、肥大した前立腺を内側からくりぬく方法です。
前立腺肥大の手術では、最も多く行われています。

・被膜下前立腺切除術(ひまくかぜんりつせんせつじょじゅつ)
前立腺が大きい場合に行います。
お腹を切開し、肥大した前立腺を切り取ります。

・レーザー手術
尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを当てることで前立腺を小さくします。
最近増えてきた手術方法です。

・高温度療法
尿道から挿入したカテーテル(細い管)から、前立腺にマイクロ波を当てる方法です。
マイクロ波を当てると高温となるため、熱によって前立腺の組織が焼け、小さくなります。

・尿道ステント
前立腺肥大によって狭くなった尿道に、金属製のコイルを入れることで尿の通り道を広げる方法です。
高齢など、手術が難しい場合に選択されます。

〇日常生活での注意
前立腺肥大による不快な症状は、生活の質を低下させることがあります。
アルコールの摂取や、長時間座ること、バイクや自転車などの運転は、前立腺肥大の症状を悪化させることがありますので、なるべく避けるようにしましょう。
また、前立腺肥大による夜間の頻尿は睡眠の質を低下させます。
冷えは頻尿を悪化させるため、就寝時には体をあたためるようにしましょう。
また塩分の過剰摂取は尿を増やしますので、減塩に努めましょう。
薬の飲み合わせによっては、症状を悪化させる場合があります。
特に風邪薬やアレルギー薬を飲む際には、医師に相談するようにしましょう。

前立腺肥大の予防方法

前立腺肥大は明確な原因がわかっていないため、予防をすることは難しいと言われています。

一方で、糖尿病や高血圧、高脂血症などの病気にかかると、前立腺肥大を起こしやすいという研究データがあります。

これらの生活習慣病にならないよう、食事や運動などの生活習慣を整えることが重要でしょう。




 



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