甲状腺機能低下症の原因と症状・検査・治療・もし放置していると…。

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 甲状腺機能低下症の原因

甲状腺機能低下症は体内で産生されるホルモンの一種、甲状腺ホルモンの分泌が何らかの原因によって低下したものを指します。

この甲状腺ホルモンの分泌不全は先天的な、つまり生まれ持ったものだけではなく後天的な要因によっても引き起こされます。

特に先天性のものや乳幼児期に発症する甲状腺機能低下症は、クレチン症という名前で知られていますがこの場合、甲状腺ホルモンを産生する甲状腺そのものがないか、十分に大きくない、あるいは甲状腺はあるものの甲状腺ホルモンを産生する機能がうまく働かない、のいずれかを原因とします。

成人期発症の甲状腺機能低下症としては、原因のはっきりしないままに甲状腺機能が下がってしまう原発性甲状腺機能低下症と、甲状腺に慢性的な炎症が起こることで体内の甲状腺量に異常をきたす橋本病の二つがほとんどです。

脳下垂体異常が原因となる中枢性甲状腺機能低下症というものもありますが、これは極めてまれな疾患です。

甲状腺機能低下症の症状

甲状腺ホルモンが不足することは、全身の新陳代謝を直接的に衰えさせることになります。

したがって、疲れやすい、発汗が減る、生気がない(元気がない)、寒がりになる、体重が増える、むくみやすい、便通が良くない、皮膚が乾燥する、極端に白髪が増える、頭髪・眉・脇の脱毛が増える、嗄声となる(声がしわがれる)などが主な症状となります。

また重篤な場合には精神活動の低下もみられ、年齢に関わらず認知症様の症状を呈することもあります。

特に、全身の代謝が低下することによって生じたむくみには、皮下の粘液性物質が関与しています。

このむくみは粘液水腫と呼ばれ、指でむくみを押しても全く圧痕を残さないという特徴的なものです。




甲状腺機能低下症の検査方法

甲状腺機能低下症の検査方法としては、医師の診察を通した理学所見と甲状腺ホルモン量を調べる血液検査が主体となります。

理学所見においては、喉仏の下にある甲状腺そのものの腫れ(甲状腺腫大)、下肢の圧痕を残さない浮腫、アキレス腱反射の遅れなどを確認します。

血液検査においては、直接的な甲状腺ホルモン量(free T3、T4)に加え、体内で甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモン(甲状腺刺激ホルモン)の量、および橋本病による甲状腺機能低下症を調べるための抗TPO抗体が調べられることになります。

その他に、必要な場合は甲状腺の超音波検査やCT、シンチグラフィーなどの画像検査が追加されることもあります。

 甲状腺機能低下症の治療方法

主として、不足している甲状腺ホルモンを経口的に補充する治療となります。

過量摂取や摂取忘れがない限りは、安全に常用できる内服薬と言えますが多くの場合は、生涯に渡る服用を要しますので、継続的な通院と内服を行う根気強さが必要になります。

また、甲状腺機能低下症の治療に伴い、現状の甲状腺ホルモン量を測定し、内服薬の増減をはかるためには定期的な血液検査が必要になりますが、症状が安定していれば3カ月から半年おきの血液検査で十分となり、治療や検査に伴う身体的負担も大きくはなりません。

病状の安定に伴い、通院間隔の広がる疾患ではありますが飲み忘れのないように心がけることが大切です。

 甲状腺機能低下症を放置しておくとどうなるのか

特に成人においては、上記のようないわゆる不定愁訴(はっきりとしない訴え)が中心であるために、本人が受診・通院を見送ってしまったり、あるいは一般内科のクリニックなどで対症療法的な治療が継続され、直接的原因である甲状腺機能低下症が見過ごされてしまうケースがあります。

長期間に渡る甲状腺機能低下症の放置は、心活動の低下に伴う徐脈や不整脈、または動脈硬化の早期進展による重篤な心血管疾患や脳血管疾患の発症に至ることがあり、余命を縮める可能性が高くなります。

上記に示したような症状が継続する場合は必ず内科を受診すること、また既にかかりつけ医がある場合は追加の血液検査の必要性について担当医とよく相談すること(甲状腺ホルモン検査は難しいものではありません)が非常に大切です。

また、必要な検査が実施できない、あるいは現在の治療で十分な改善がみられない場合には、内分泌疾患を得意とする医師にセカンドオピニオンを求めることも現代においては有効な選択肢の一つと言えます。



 



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