成長ホルモン分泌不全性低身長症の原因・症状・検査・治療方法

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成長ホルモン分泌不全性低身長症の原因

成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)は、体内に100種以上存在するホルモンの一つである、成長ホルモン(GH)の分泌が十分ではないために引き起こされる疾患です。

成長ホルモンは脳下垂体という臓器から生涯に渡って分泌されるホルモンで、骨の伸長や筋肉の成長を通した身体の成長に関する作用と、代謝の促進や血糖値を一定に保つ機能などを通した代謝に関する作用の二つが主な働きとなります。

この成長ホルモンの分泌が十分でなくなってしまう要因は大きく二つあり、原因がはっきりとしている器質性(後天性)GHDとはっきりしない特発性(先天性)GHDに分けられます。

原因が明確である器質性GHDは、脳腫瘍をはじめとした頭蓋内のできもの、または逆子での分娩や新生児仮死、遷延性黄疸などの妊娠・出産時の異常に伴うものが中心となります。

一方で、原因が明確でない特発性GHDには、脳下垂体の発生や分化に関わる遺伝子の異常などが指摘されるようになってきました。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の約90%が特発性GHDであるとされており、生まれつきの素因によって引き起こされた症状であることがほとんどと言えます。

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 成長ホルモン分泌不全性低身長症の症状

文字通り、成長ホルモン分泌不全性低身長症の罹患児は、同年代の子どもたちと比較して明らかな低身長を示します。

多くの場合は4歳前後までに成長率の低さから気付かれることが多く、特に重度のGHDでは乳児期からの成長障害と、場合によっては低血糖などの重篤な症状を伴うこともあります。

また、他の脳下垂体ホルモンの分泌不全を併発しているようなケースでは、生理的な成長・発達や二次性徴、妊孕性に問題が出ることがあります。

成人期においては、代謝異常に伴う脂肪肝や肝硬変、体組成異常を示すこととなり、本疾患に伴う症状をしっかり抑えるためには、継続的な治療が欠かせないということになります。
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 成長ホルモン分泌不全性低身長症の検査方法

成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断には、低身長であることと成長ホルモンの分泌が十分でないことの二点を証明する検査が必要になります。

具体的には、「同性・同年代の平均身長より標準偏差の二倍以上下回っていること」と、「各種ホルモン負荷試験(成長ホルモンの分泌を促す試験)で血液中の成長ホルモンが増加してこない」場合に成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されます。

また、特に重度な例や、患児の家族に同じ疾患を持つ患者がいるような場合には、遺伝子解析の必要性も検討されるということになります。
 

成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療方法

年齢に伴う減少はありますが、上で述べた通り、成長ホルモンは本来、生涯に渡って分泌されるはずのホルモンです。

本疾患を放置することはただ低身長を呈するのみでなく、代謝調節が機能しないために動脈硬化リスクを上昇させることなどを通して、深刻に生命予後を悪くします。

したがって、早い段階での疾患の発見と継続的な治療が欠かせません。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の主な治療は、遺伝子組み換え済み成長ホルモン薬の皮下注射となります。

ほぼ毎日の投与が必要であることから、各家庭での自己注射が認められています。

また他の脳下垂体ホルモンが不足しているような場合には、あわせてそれらホルモンの補充療法も行われます。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療は、治療薬そのものが高額であるばかりか、非常に長期間に渡る治療が必要になるため、家計負担がとても大きくなります。

そのため日本においては、成長ホルモン分泌不全性低身長症は小児慢性特定疾病に指定されており、自己負担分の医療費に関しても助成が行われています。
 

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