虫歯治療ってどんなことするの?
虫歯の治療の目標は、虫歯の原因菌の除去です。
虫歯の部分を染め出す液(齲蝕検知液)というのを使いながら、虫歯でやられた部分を染め出しながら除去する方法や、抗生物質(3-MIX)などを使って殺菌することもあります。
ただし、虫歯が進行するほど治療内容は困難になりますので、虫歯に気づいたら早めに歯科医院にかかりましょう。
虫歯治療の費用は?
基本的な治療は保険が使えます。
保険点数は全国一律で、歯の種類によって点数が違います。
3割負担の方はこれらの合計点数の3倍を窓口で支払います(2018年8月1日現在)。
基本的なものの例としては
初診料(234点+25点)
管理料(100 - 110点)
レントゲン(48 - 402点)
神経を取る(抜髄:228 - 588点)
歯髄の空間を密閉する(根管充填:72 - 314点)
などと決まっており、
この他に神経の空間を殺菌する処置(根管貼薬:28 - 46点)
虫歯を除去した後に被せ物を作る(補綴処置)
の費用もかかります。
補綴処置の素材によっては保険が効きませんので、自費診療になります。
また、虫歯になるということは、日々のお口の管理が不十分とも言えます。
歯石除去など、虫歯の治療だけでは済まない場合がほとんどですので、歯周病治療なども必要になると考えてください。
詳細は歯科医とよく相談してください。
虫歯治療は痛みある?
歯はエナメル質、象牙質、歯髄の3層構造です。エナメル質を破壊し、破壊が象牙質に到達すると、痛みが出ます。
エナメル質にとどまっている虫歯では、あまり痛みもなく治療が終わります。
内容としては歯と同じ白いレジンという素材で埋めるか、インレーという金属の詰め物で終わるパターンです。
このエナメル質を超えて象牙質に治療がおよぶ場合、痛みが出る可能性があります。
事前にレントゲンで虫歯の深さの予想がつきますので、痛みが出そうな深さの虫歯であれば、治療開始前に麻酔の注射をしてから治療にかかります。
虫歯を除去した後、歯髄に到達していなければ、象牙質にセメントという素材を一層ひいて刺激を遮断させて、詰め物(インレーなど)を入れます。
虫歯で痛いときの対処方法
歯はエナメル質、象牙質、歯髄の3層構造です。エナメル質を破壊し、破壊が象牙質に到達すると、痛みが出ます。
初期段階では鎮痛剤(アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)の内服をします。アイスノンなどで冷やすのも一時的には有効なことがあります。
しかし、いずれにせよ歯にとっては緊急事態ですので、早急に歯科医院に行くよう用事を調整しましょう。
虫歯で頭痛が出た時の対処方法
鎮痛剤の内服だけでは効かない場合は、早急に歯の神経を取る処置(抜髄)が必要です。
麻酔をして歯髄に到達し、歯髄の中の神経を除去します。この段階で痛みの原因のほとんどが除去されますが、まだ歯の内部に原因菌がいます。
これを取り残すと、また痛みが出る可能性があります。歯の内部の原因菌を除去(根管治療)したら、最終的なお薬(ガッタパーチャといいます)で歯髄の空間を密封します。
その後、被せ物を作る流れとなります。
虫歯を放置しているとどうなるの?
虫歯は、食べかすの中の糖分から酸を作り、エナメル質、象牙質を破壊します。
そのまま放置すると、虫歯の原因菌が歯髄に侵入します。
歯髄は柔らかい神経のある組織で、この神経を侵食して歯の根の先端から歯のまわり(根尖)に広がります。
ここで炎症反応を起こすと、歯根肉芽腫という状態をつくり、膿がたまってくると歯根嚢胞(のうほう)という状態になります。
嚢胞は内部の圧力が高いので、圧抜きの逃げ道を作ろうとします。これが歯瘻(しろう)といい、お口の中か皮膚に膿の出口ができます。
また、太い血管の中に細菌が侵入し体全体にまわると原因菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出され、血管内にプラークが出来て血液の通りが悪くなります。
この結果、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こします。
その間、神経の無い歯はボロボロと崩れ、残根という状態になります。
最終的には体の異物を除去する反応により、歯は脱落します。
このように、命を脅かしかねません。
虫歯がかな?と思った時は、早急に歯科医院で治療を受けましょう。