口内炎ってできると痛いですよね。
すぐに治ってくれればいいのですが長引いたり何個も出来たり、治ったと思ったらまたすぐに出来たりと…
いったい原因は何なのでしょうか?
そこで口内炎の原因や治し方、放置しているとどうなるのかをご説明していきます。
口内炎になる原因
口内炎の原因としては、外傷が最も多いです。
具体的には、歯並びの関係で歯のとがった部分が頬や舌に当たったり、誤って噛むことがあります。
合わない入れ歯や被せ物のカドで傷つけることや、食事時に箸、爪楊枝、焼鳥の串が当たったり、揚げたてのフライの衣が固いために粘膜を傷つけたり、硬い煎餅だったり、歯磨きの時に歯ブラシや歯間ブラシで傷つけたりすることが多いです。
他にはヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルスの活性化による歯肉口内炎があります。
体力低下時に見られることが多いので、安静、栄養補給、抗ウイルス薬の投与などがあります。
その他、頭頸部がんで放射線治療や抗がん剤治療を受けている患者さんには、頬の粘膜や舌などに口内炎(口腔粘膜炎と言います)が広範囲に出ます。
口内炎と食べ物は関係しているの?
栄養バランスが偏ると口内炎が出やすい方がおられます。
ビタミンB12と鉄分が不足すると、口内炎ができやすいと言われています。
これらは肉、魚、乳製品に含まれているため、ベジタリアンの方には口内炎ができやすいと言われています。
豆やほうれん草などの鉄分豊富な野菜、ビタミン剤を追加することで、口内炎ができにくい体にしましょう。
口内炎の治し方
基本はステロイドの軟膏を塗布します。
口腔内に使用できる軟膏としては、デキサルチン、ケナログ、オルテクサーなどが市販されています。
塗った場所に長く留めるため、皮膚に塗るクリームと比べてやや固く、伸びが悪いという特徴があります。
使い方としては、眠る前、水も飲んであとは寝るだけ、となった時に1回、あとは昼食後あたりでもう1回くらい塗ります。
広さによりますが、小さな1~2個の口内炎では米粒1粒程度を目安に塗布してください。
また、塗布したらしばらく水分は摂取しないでください。
なかなか治らない難治性口内炎では、口内炎の直下に麻酔の注射(と時にステロイドの注射も)を行い、歯科用レーザーを照射することもあります。
ここで重要なことは、2週間経過を見て改善なければ、口腔がんの可能性がありますので、大きな病院の歯科口腔外科の受診が必要かをかかりつけの歯科医と早急に相談してください。
初期であれば切除するだけで完治できる可能性があります。
しかし、がんは治療しない限り消えず、命にもかかわりますので、仕事などより優先して受診するべきです。
放射線治療に伴う口内炎のように、口内炎が広範囲におよぶ場合は、サルコートという粉末状のステロイドもあります。
専用のブロワーで吹きかけます。使い方など詳しくは歯科医師、薬剤師に尋ねてください。
一方、ヘルペス性歯肉口内炎のように、ウイルス感染が原因の口内炎には、ステロイドは局所の抵抗力を抑えるため、避けるべきです。
安静、栄養補給を行いつつ、抗ウイルス薬を投与し、口内炎からの感染対策としてアズノールの含嗽(うがい)で口腔内を清潔に保ちます。
口内炎を放置しているとどうなるの?
軽い口内炎の場合は自然と治ることも多いのですが、口内炎は粘膜の一部が破れている状態ですので、口内炎から細菌感染が起こり、腫れたり、膿が溜まったりします。
お口は喉がすぐそばにあるので、炎症がのどに広がると気道閉塞、つまり呼吸困難に繋がります。
そのため、炎症がひどい場合は、入院での治療が必要なこともあります。
また、口腔がんも初期は口内炎のことがあります。
合わない入れ歯や被せ物が尖っていると、ずっと粘膜を刺激することとなります。
そのため、口内炎を放置すると口腔がんになることがあります。先にも述べた通り、早めに歯科医に相談しましょう。