膵炎の症状と原因と予防・治療方法、もし放置しているとどうなるのか

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膵炎
 

膵臓に負担をかけていると膵臓が炎症を起こした状態になりこれを膵炎といいます。

その膵炎にはいくつか原因がありその原因に合わせた治療をしなければいけません。

こちらでは膵炎の原因や症状、さらに放置しているとどうなるのかわかりやすく説明していきたいと思います。

膵炎の原因

膵炎を引き起こす主な原因

①アルコール
アルコールには胃液や膵液の分泌を促す働きがあります。分泌された膵液は膵臓から膵管という管を通って十二指腸に流れ出るのですが、アルコールの飲みすぎにより、膵液の流れ出る出口がむくんでしまうことがあります。むくんでしまうと膵液の流れが悪くなり、さらにアルコールによって膵液は分泌を促されているため、どんどんたまってしまい、炎症を引き起こします。

②胆石
胆のうの中で作られた胆石が胆管に落ち、胆管と膵管が合流する十二指腸の出口で詰まってしまうと、膵液が流れなくなり炎症を引き起こします。
胆石症は40歳以降の太った女性がなりやすいといわれています。

そのほかの原因には高脂血症、薬剤、手術、そして原因不明という場合もあります。

 

膵炎の症状

・腹痛
みぞおちから肋骨のあたりに激しい痛みがみられます。その痛みは「刺されているよう」「焼けているよう」「気が狂うほど」と表現されるほど強く、持続する痛みです。なかには背中の痛みを訴える人がいたり、痛みを感じない人もいたりするので、痛みの程度には個人差があります。

 

・吐き気や嘔吐
ほとんどの場合に吐き気がみられ、胃が空っぽになるまで吐いてもムカムカした状態が続きます。嘔吐によって腹痛がよくなることはありません。

・排便の変化や体重減少
消化酵素の分泌する量が減ることによって、脂肪分の多い便や下痢が出るようになったり、体重が減ったりすることがあります。

・発熱
体温は平熱のこともありますが、進行するにつれて上昇します。

・腹部膨満や呼吸困難など
膵管のむくみや胆石のつまりにより、流れ出ることができなくなってしまった膵液が、膵管を破り漏れ出すと周囲の臓器を溶かしてしまいます。体内に広がった炎症が原因で、腹水や胸水がたまったり、呼吸困難や意識障害など全身に様々な影響を与えます。

 

膵炎の予防方法

膵炎を予防するには、まず膵炎を引き起こす原因であるアルコールや胆石に注意が必要です。

アルコールを飲みすぎたり長期間飲み続けている人は膵臓に負担をかけてしまいます。

胆石はコレステロールの摂りすぎが原因と考えらえており、脂っこい食事を避けてバランスのよい食事を心がけたり、運動不足にならないよう健康的な生活を送りましょう。

再発の予防も同じです。

1度膵炎がよくなったとしても、以前と同じような飲酒や食生活を続けていると、再び膵炎を引き起こしかねません。

 

膵炎の治療方法

・急性膵炎の治療
絶飲絶食や安静にすることで膵臓の働きを休ませます。絶飲絶食中は点滴を投与し、感染症を予防するための抗生物質や膵液に含まれる酵素の働きを抑制する薬を使用します。
膵臓や周りの臓器に広がった炎症が原因で、敗血症や多臓器不全など重度の症状がみられる場合は、ICU(集中治療室)で輸液管理や呼吸管理、循環管理など全身の管理を必要とすることもあります。

・慢性膵炎の治療
炎症を繰り返すことで正常な細胞が壊れ、膵臓の働きが悪くなるので、膵臓の機能を助ける治療を行います。足りない分の消化酵素やインスリンを薬で補ったり、膵管の通りが悪くなっている場合は細いチューブを通したり、合併症に対する治療も行う必要があります。

 

膵炎を放置しておくとどのような障害が起こってくるのか

軽い膵炎の場合は絶飲絶食や安静により症状がよくなります。

しかし症状が進行すると膵臓の炎症が全身に広がり、膵臓だけではなく全身のいたるところの臓器に障害を引き起こします。

徐々に治療が困難となり死に至るケースもあります。

そして急性膵炎を繰り返したりアルコールの飲みすぎが続くと、膵臓の細胞が壊れてしまい慢性膵炎を引き起こします。

慢性膵炎になると血糖値をコントロールするインスリンの分泌がうまくいかなくなり、糖尿病を合併することが多くあります。

さらに慢性膵炎は膵臓癌になるリスクが高くなります。
 

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