ヘルパンギーナの原因
ヘルパンギーナになるのは数種類のウィルスが原因
ヘルパンギーナはエンテロウィルス属である
・コクサッキーウィルスA群
・コクサッキーウィルスB群
・エコーウィルスによるウィルス感染症です。
ヘルパンギーナの原因ウィルスはとても多く、エンテロウィルス属は大きく分けられていますが、互いによく似ているため1種類のウィルスだけがヘルパンギーナを引き起こすものではないというのが特徴です。
数種類のウィルスがヘルパンギーナを発症させるため、一度感染しても違う種類のウィルスに感染すれば再度発症することがあるのです。
大人も注意
特に0歳~5歳の乳幼児に多く見られますが、大人でも感染し発症することがあります。
大人が発症した場合は症状が重くなる傾向があるため、子供がかかった場合は家での対策も重要です。
ヘルパンギーナの症状
潜伏期間(感染してから症状が出るまで)は2日~4日です。
突然の高熱から始まり、のどの痛み、口の中の発赤や水泡が見られるようになります。
水泡は破けると痛みを伴い、高熱は39℃~40℃になることもあります。
熱やのどの痛みなどから、脱水や熱性けいれんなどに特に注意が必要となります。
無菌性髄膜炎や急性心筋炎の合併や脳炎を合併して死亡することもあります。
頭痛やおう吐、むくみや動悸、息切れ、けいれんや呼びかけに応じないなどの意識障害が見られた場合は、すぐに受診しましょう。
ヘルパンギーナとよく似た症状が出る同じエンテロウィルス属が引き起こす病気に”手足口病”があります。
症状の違いは手足口病では発熱しない場合の方が多いことと、ヘルパンギーナも手足口病も口の中に水泡が現れますが、ヘルパンギーナでは口の奥側・のどにでき、手足の水泡は見られないことです。
ヘルパンギーナの治療
特効薬はありません
ヘルパンギーナに特別な薬はないため、症状を緩和する対症療法のみになります。
熱は2日~4日で下がり、水泡なども跡が残ることなく約7日ほどで治ります。
ヘルパンギーナの感染経路
・飛沫感染
つばなどに含まれるウィルスが咳やくしゃみの際に飛び散り、それを鼻や口から吸い込むことで感染する。
・接触感染
ウィルスが付着した物を触ったり、食べたりすることでウィルスが目や口から体に侵入し、感染する。
(例:唾液や鼻水がついたドアノブやおもちゃを触るなど)
*ヘルパンギーナは腸の中で増えるため便と一緒に排出されます。
トイレ後・オムツ交換時の不十分な手あらいも原因となります。
ヘルパンギーナの予防
こまめに、すぐに、きちんと、手洗い!マスクの着用!
予防接種など特別な予防法はありません。
空気感染するものではありませんので、流行期(6月頃から9月頃まで)は手洗い、マスクの着用、うがいなどを徹底しましょう。
(手を洗い流すのは30秒以上、手の甲や手首、爪の中もきっちりと、最後に水道のハンドルも)
症状が治まってからも注意
もっとも感染力があるのは発熱期間ですが、便の中にもウィルスが排出されるため、症状がなくなってからも2週間~4週間は気を抜かずに便の処理後は特に意識して手洗いを行いましょう。
ヘルパンギーナに感染した時の学校や幼稚園の出席停止について
・保育園・幼稚園など
厚生労働省が出している保育所における感染症対策ガイドラインでは出席停止となる疾患ではなく、登園の目安が示されているのみになります。
感染拡大を防ぐため登園許可証を求めたり、欠席期間を定めている園がほとんどです。
提出許可証など園独自の規定がないかなども、診断を受けた場合は園に確認するようにしましょう。
熱が下がり、水泡やのどの痛みが改善し、水分食事が取れる(園のご飯が食べられるぐらい)ことが登園の目安になります。
・小学校
学校保健法(学校において予防すべき伝染病に関する規定)では出席停止期間が明記されていません。
しかし、流行期に欠席者が多くなったり、合併症が発生するなど状況によって学校長が学校医と相談の上、必要性を判断した場合は症状が治まるまで出席停止となる場合があるとされています。
ヘルパンギーナに感染した時の対策と食事
経口補水液やスポーツドリンクなどで水分補給をこまめに行い、安静にしましょう。
食事は少し冷たくて噛まずに食べられるものを選んで少量ずつ食べましょう。
家族に症状が出たら
・食器、タオルなどの共用はしない。
・お風呂は最後に。シャワー程度にする。
・症状がひどくなっていないかを観察し、特に乳児など訴えが少ない子どもはおしっこや意識の状態などを確認するようにしましょう。
食事
・とろみや喉ごしの良いものを少量ずつ食べましょう。
冷製スープやプリンやゼリーは調理不要で小分けのものがあり、スーパーで手軽に買えるのでオススメです。
・のどの痛みや体に負担になる、柑橘系やヨーグルト、チョコやドーナツなどは避けましょう。