親知らずを抜歯するときに痛みの程度とかどれくらい痛みが続くのかとか気になりませんか?
顔がどれくらい腫れるのか
上の親知らずと下の親知らずとでは痛みが違うのか腫れ方が違うのか
さらに費用はどれくらいかかるのか入院が必要なケースはどんなのか
これらについてまとめました。
目次
親知らずの(智歯)抜歯について
親知らずの抜歯は乳歯の抜歯とは大きく異なります。
手術時間も1時間くらいかかることもありますし、術後1週間程度痛みが出ることがあります。
ここに記載する内容は一般的なものですので、個人差があります。
ただ、一番症状が重い場合を想定しておいて、実際は思ったより軽く済んだ、という方が逆の場合と比べて心理的負担が小さいと思います。
また、ネット上にある「親知らずの抜歯体験談」も、今回の内容を理解してから読まれると、より理解できるかと思います。
親知らずを抜歯した時の痛みと腫れ、それらの期間について
上あごの親知らずと、下あごの親知らずとでは、全然異なります。
一般的に「上あごでは症状が軽く、下あごの場合では症状が重い」と思ってください。
腫れについてですが、抜歯に限らず外科処置は大なり小なり腫れます。
ただ、腫れの正体は体が傷を治そうとする反応なので、上あごでは抜いたところの周囲が少し腫れるくらいです。
一方、下あごでは「アメ玉なめてるの?」というくらいの腫れが一週間くらい続きます。術後3日目が腫れるピークです。若い方ほど腫れる傾向にあります。
痛みも上あごの場合は2?3日でおさまることが多く、下あごの場合は痛み止めを1日3回一週間くらい飲んだ、という方もたくさんおられます。
親知らずの抜歯の費用は?
保険診療の場合、治療費については全国一律で決まっています。
検査や手術などにそれぞれ点数が決まっていて、合計点数について1点を10倍したものが歯科医院の総収入(円)となります。
3割負担の方なら、その総収入の3割(合計点数の3倍と同じ)を窓口で支払います。
今回は個人の開業医さんのところに初めて行き、その日のうちに保険で親知らずを抜歯する場合で計算してみます(2018年7月現在)。
大学病院に紹介して抜歯してもらう場合など、多少費用が異なる例もあります。
また、矯正治療に関する抜歯はほとんど自費診療になりますので、金額はそれぞれの歯科医院で事前に確認してください。
(1)初診料:234点
(2)歯科疾患管理料、外来環境整備加算:100から135点の間
(3)レントゲン
(i)デンタル(歯2~3本分の小さなレントゲン、デジタル):58点
(ii)パノラマ(あご全体がうつるレントゲン、デジタル):402点
(4) CT(親知らずと神経が近そうな時に両者の位置関係把握のために撮影):1190点
(5)伝達麻酔(下あごで歯のまわりの麻酔だけでは効きにくいときにする麻酔):手技料42点+薬剤6点(5点のこともあり)
(6)抜歯
(i)普通抜歯:265点
(ii)難抜歯(骨を削ったり、歯を分割したり、歯ぐきをめくる処置が必要な場合):475点
(iii)埋伏智歯抜歯(上あご、ほぼ完全に埋もれている場合):1050点
(iv)埋伏水平智歯抜歯(下あご、ほぼ完全に埋もれている場合):1150点
(7) 処方せん料(調剤薬局で処方してもらう場合):68点
一番安い場合:上あごの親知らずの普通抜歯の場合 (上あご.jpg)
(1) 234点+(2)100点+(3)の(i)58点 +(6)の(i)256点+(7)68点 = 716点。3割負担の方はこの3倍を窓口で払うので2140円。
これに調剤薬局で払う薬代(抗生剤、鎮痛剤、うがい薬など)がかかります。
一番かかる場合:下あごの水平に埋伏している親知らずを抜歯する場合 (下あご.jpg)(1)234点+(2)135点+(3)の(ii)402点 +(4)1190点+(5)48点+(6)の(iv)1150点+(7)68点 = 3227点。窓口で払うのは9680円。これに調剤薬局で払う薬代がかかります。
結構金額かかると思われるかもしれませんが、海外ではこの10倍くらいかかります。
また、生命保険が使えるかどうかについては、診断書を書いてもらう前に、保険会社に電話確認をしてください。支払い対象にならない時があります。
親知らずを抜歯した後の食事はどうしたらいいの?
抜歯後数日は、抜いた側では食事がしにくい状況になります。
食べやすいものを抜歯していない側で噛むことになります。
アルコールは血のめぐりが良くなり出血しやすくなりますので、1?2日避けましょう。
抜いた側でしっかり噛めるようになるまでに2週間程度かかります。
食後の歯磨きは、抜歯部位以外は歯磨きをしても大丈夫です。抜歯部位は傷口でもあるので、ブラシを当てるのは避け、うがいだけにしましょう。
親知らずを抜歯したら顔は腫れる?
外科処置は多少なりとも腫れます。
特に、上あごより下あご、歯ぐきをめくったり、骨を削ったりした場合は腫れます。
平均して1週間くらい腫れますので、旅行、友人に会う、結婚式に呼ばれているなど、大事なイベントがある場合、抜歯はイベントの後に回すべきです。
腫れが残ったままだと「あの時に抜かなければよかった・・・」と後悔することになります。
親知らずの抜歯に入院は必要?
抜歯は基本的に外来で日帰りで出来ます。
入院が必要となるケースは、歯科治療恐怖症があり、全身麻酔をしながら抜歯される方、血が止まりにくい方(血液さらさらの薬を飲まれている、血液の病気で血小板が少ない方など)は抜歯後の出血リスクがあるので入院して管理が必要です。
間違ってはいけないのは、入院は出血などの「管理の必要性がある」ため収容する医療であって、「ホテル」ではありません。
色々と書きましたが、抜歯する前に歯科医の説明をしっかり聞き、疑問点を解決してから抜歯を受けましょう。