肝硬変の原因と前兆・症状・治療・予防方法・もし治療しなければどうなるのか

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肝硬変




なぜ肝硬変になるのか、その原因と肝硬変特有の前兆と症状、さらに治療をしないとどういうことになるのか…。

肝硬変の原因

肝硬変の原因をご説明をする前に、そもそも肝硬変とはどのような病気なのか、簡単にいうと、肝臓病の最終段階とも言え、肝機能が保てなくなり、さらに放置すると肝不全や肝がんにも進行し命をも脅かす病気です。

肝硬変は風邪のように突然発症するのではなく、いくつかの原因を元に以下のように段階を経て進行して発症するものです。

急性肝炎→慢性肝炎→肝硬変→肝がん・肝不全という流れになります。

ここでの説明では、まとめて肝障害ということにします。

この肝障害の原因
・ウィルス性
・ 薬剤性
・アルコール性
・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
などで起こります。

ウイルス性

ウィルス性は、A型、B型、C型、E型があります。

A型・E型は急性肝炎を起こします。
A型は汚染された水や貝などを経口摂取することで感染し、東南アジアなどでの旅行で感染する人が多いです。
E型は、イノシシやシカの生肉摂取で感染します。
B型・C型は血液感染や性交渉で感染を起こし、慢性肝炎を引き起こします。

炎症が続くことで肝硬変になっていき、さらには肝がんへと進行していきます。

ウイルス性ですので血液同士が触れ合うなどの状況によっては誰でも感染しうる病気なのです。

薬剤性

・薬剤性は、薬剤の成分が直接肝細胞を障害することもありますが、ほとんどは薬剤、またはその代謝物に対するアレルギー反応として肝障害が起こります。
漢方薬やサプリメント、健康食品などあらゆる薬でも起こる可能性があります。
早期治療で改善を認めますのが稀に慢性化することもあります。

アルコール性

・アルコール性は、飲みすぎて肝臓が炎症を起こした状態を放置し多量飲酒を続けると、肝硬変になります。男性の場合、1日に日本酒3〜5合を20年続けた場合アルコール性肝硬変を起こすリスクが高くなると言われます。女性の場合はその約半分の飲酒量と時間と言われています。
NASHの原因は、肥満や糖尿病などの生活習慣病であり、これを放置すると肝硬変や肝がんに進むリスクが高まります。近年増えています。

肝硬変の原因は上記のB型、C型ウィルス性肝炎の既往のある人、または常習飲酒家が多いです。

日本ではウィルス性の肝硬変が80%以上を占め、アルコール性肝硬変は約10%。残りがNASH、胆汁うっ血性、自己免疫性などが含まれます。

>>肝炎の予防法・治療法の詳細はこちら

肝硬変の前兆や症状

肝硬変の前兆としては漠然とした不調、食欲不振、疲労などを感じます。

微熱や上腹部の不快感も出ることもありますが、黄疸は稀です。

ただし、後述しますが、恐ろしいことに前兆としての症状が出る頃には重症化していることが多いです。

気づいた頃には手遅れなんてことも・・・。

症状が進行すると
・腹水や黄疸(全身・白目が黄色く変色)
・手指紅斑(手のひらの赤みが強くなる)
・腹部静脈怒張
・クモ状血管腫(小さな蜘蛛の様な形をした血管が浮き上がる)
・女性化乳房
・ひどい場合吐血、昏睡状態などが見られます。

また、合併症として、食道・胃静脈瘤、肝性脳症、肝がんを引き起こすこともあります。

>>食道がんの詳細はこちら

次にアルコール性の肝硬変の症状も上述の通りですが、常習飲酒家の90%以上にアルコール性の脂肪肝を認めます。脂肪肝は自覚症状がないのでそのまま放置し肝炎、さらには肝硬変となることも多いです。

脂肪肝はいわばアルコール性肝炎や肝硬変になる前兆とも言えます。

早期に気づけば断酒や食事・運動などの生活習慣の改善で十分に元に戻る可能性があります。

さて、脅しておいてなんですが、なぜ肝硬変の前兆が現れる頃には重症化していることが多いのかご説明します。

肝臓は再生能力が非常に高い臓器で約70〜80%を切除しても、約半年後には、ほぼ元の大きさに戻り機能を取り戻します。

なかなか自覚症状が出ない頑張り屋のため「沈黙の臓器」なんて異名もあります。

つまり、肝障害で痛めつけられた肝臓も、症状のでるギリギリまで生き残った肝細胞が機能を補ってくれるので、症状が現れる頃には重症化していることが多いのです。

私が病棟勤務していた頃、肝硬変の経過は見ていて辛いものがありました。腹水は妊娠末期と同じくらいのお腹が膨らむほどたまり、血圧を保ちながら腹水を抜くので、時間をかけながら血清アルブミンと補液を行いながら除水しますが、多い方は2Lくらいを一度に抜きます。患者様ご自身も常にある全身倦怠感や合併症による意識障害など、肉体的精神的に辛い状況でした。これに肝がんへ進行すると抗がん剤治療も加わります。これはご紹介できるごく一部ですが、メインの治療経過をたどっても病状を進行させないため、入退院を繰り返し地道に治療を続けていくことがほとんどです。




肝硬変の治療方法

残念ながら死んでしまった肝細胞を再生することはできないので、肝硬変はいかに初期で進行を食い止めるかが鍵となります。

初期のうちは原因に合わせた治療を行いますが、重度に障害されてしまった場合には、腹水などの合併症の対症療法が治療の中心となってきます。

肝移植をするという方法もあります。

<原因に合わせた治療法>
①B型肝炎ウィルスが原因:主に2種類の治療法があり
・飲み薬の核酸アナログでウィルスの増殖を防ぐ方法
・注射薬のインターフェロンでウィルスに対する免疫力を高める方法

②C型肝炎ウィルスが原因:以下の4種類の治療法があります。
・注射のインターフェロンとリバビリン(抗ウィルス薬)の併用でウィルスへの免疫機能を高めながら、ウィルスを減らす働きかけをする方法。
・インターフェロンを使用せず内服薬だけで治療する方法です。
肝硬変の軽度であれば、効果が認められていますが、重度の肝硬変の場合は行うことができません。

さらに、これらに併用して行われる方法として以下2つがあります。
・瀉血(しゃけつ)療法:肝臓に沈着する鉄を減らすために、食事で減らす以外に一定量の血を抜く治療法です。
・肝庇護療法:肝炎ウィルスの排除を目的とせず、肝臓の炎症を抑え、肝機能の悪化を防ぐことを目的に行われる治療法です。

③アルコール性肝障害が原因:治療は断酒と栄養療法が基本です。
・アルコール性肝硬変はウィルスなどが原因の肝硬変と異なり、早い段階で断酒すれば改善する可能性があります。
しかし、肝硬変がさらに進んで末期肝硬変となり、肝不全の状態になれば肝移植以外に助かる方法はありません。

④非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が原因:NASHを治す治療薬はありませんが、食事療法や運動療法で改善します。

肝硬変の予防方法

口腔がん

肝硬変になる前に、できる限り早期のうちに肝障害の傾向や前兆を見逃さないためにも、健康診断として年に1回は採血検査をしてください。

もちろん生活習慣の改善、症状によっては治療を開始することも大切です。

肝硬変を放置しておくとどのような障害は起こってくるのか

前項の説明でもうご理解いただいている方も多いと思います。

肝硬変が進行すると、肝不全や肝がんへ進行します。

肝硬変になり肝機能が保てないほど障害を受けると、本来肝臓が持っている解毒・代謝ができずどんどん体内に毒素や不要な水や物質が溜まっていきます。

肝不全は全く肝機能が保てなくなった状態で、黄疸や腹水、消化管出血、肝性脳症などの様々な症状をきたす症候群です。

肝がんは正常な細胞さえもがん細胞へ置き換わっていってしまう病気で、やはり肝機能が全く保てなくなる病状経過をたどります。

慢性肝炎から肝がんを発症するケースもあるので注意が必要です。




 



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